韓国では、早ければ来月中に退院する朴槿恵前大統領が「国民へのメッセージ」を発信するか注目されている(画像提供:wowkorea)
韓国では、早ければ来月中に退院する朴槿恵前大統領が「国民へのメッセージ」を発信するか注目されている(画像提供:wowkorea)
韓国では、早ければ来月中に退院するパク・クネ(朴槿恵)前大統領が「国民へのメッセージ」を発信するか注目されている。

野党第一党“国民の力”は、パク前大統領が「政権交代の必要性」を明らかにすることを願っている雰囲気だ。一方与党“共に民主党”は、パク前大統領が “国民の力”のユン・ソギョル(尹錫悦)次期大統領選候補に対して「拒否」の立場を示したり「沈黙」することを期待しているとみられる。一定の強固な支持層のいるパク前大統領のメッセージには、かなりの影響力があると予想される。1票でも貴重な両党が、パク前大統領の発言に関心を持たざるを得ない理由だ。

“国民の力”では「パク前大統領が野党第一党を中心とした政権審判と、保守統合のメッセージを出す」とみている人が多い。もしそうなれば、ユン候補の政治的負担はより軽くなる。かつてユン候補は特別検察の捜査チーム長として、パク前大統領の重刑を決定するのに貢献した人物である。そのため “親パク”勢力たちのほとんどは、今でもユン候補に対して反発しているのが現状だ。“国民の力”の関係者は「パク前大統領が ”政権交代”を言及する瞬間、本当の保守大統合へとまとまることになるだろう」と語った。

一方、“国民の力”の中には「パク前大統領の “支援のメッセージ”は期待できない」という人も少なくない。パク前大統領とユン候補には、捜査による「悪縁」がある。しかもユン候補の最側近の何人かは、当時パク前大統領の弾劾(だんがい)に貢献した人物たちである。そのためパク前大統領が「沈黙」する可能性もある。これは「ユン候補を保守陣営の適任者として認めない」という意味と解釈され、そうなれば野党の分裂に影響を与えることにもなり得る。

与党“共に民主党”も、パク前大統領の動向を注視している。パク前大統領がどのようなメッセージを発するかによって、今後の対応戦略が変わってくるためだ。与党は「保守大統合」の雰囲気が形成されることを警戒している雰囲気である。

ただ、与党の一部からはきのう(30日)「損することはない」という発言も出ている。パク前大統領の登場自体が、かつてのセヌリ党(“国民の力”の前身)体制による「国政壟断(ろうだん)」「弾劾政局」の記憶を呼び起こすことになるためだ。「パク前大統領が野党第一党(国民の力)を支持すれば中道層が離れていき、野党第一党を無視すれば伝統的な保守層の一部が離れていくだろう」という見方も出ている。

このような中、パク前大統領の獄中書簡集は韓国の主要な書店でベストセラーになるなど、関心を集めている。

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