「感染者急増」でソウル型在宅医療を模索=韓国(画像提供:wowkorea)
「感染者急増」でソウル型在宅医療を模索=韓国(画像提供:wowkorea)
韓国では新型コロナウイルスのオミクロン株が優勢株に置き変わった。ソウルでは市中の医院が自宅療養者を管理する「ソウル型在宅医療」がなかなか進んでいない。伝播力がデルタ株の2~3倍強いオミクロン株が流行し保健所ですべての自宅療養者を管理するのは難しい状況なだけに、医院の治療参画を迅速に進めるべきという指摘が出ている。

25日、ソウル市によると、今月24日午前0時時点のソウル地域のオミクロン株への感染者は累積1310人で20日の1156人に比べ154人増だった。ソウル市の関係者は「オミクロン株が急速に広まり、短期間で感染者が増加する可能性が高い」と伝えた。

このような状況を受けソウル市は21日、クロ(九老)区の医院7か所をはじめ、区やソウル市医師会とともに市中の医院が自宅療養者をモニタリングする「ソウル型在宅医療モデル」策定に乗り出した。保健所が自宅療養の対象者リストを九老区医師会に提出すれば、医師会が指定した医院へ患者を振り分ける形だ。感染者はかかりつけ医と連絡を取ることで服用中の薬や基礎疾患などについて確認することができる。

実際、九老区では肯定的な反応が多い。医院の医師は診療時間のうち1日2~3時間は外来診療をせずに、自宅療養者の管理だけをすることになる。専用の携帯電話を常に持っているため、患者は緊急時に直ちに連絡することが可能だ。ジョ・クムジュ九老区家庭医学科院長は「必要な時に連絡ができるという点で、患者から好評だ」、「今はまだ患者が多くないので、病院運営にも大きな支障はない」と伝えた。

一方で、九老区以外の24の区ではまだ準備段階となっている。すでに業務が飽和状態となっているほとんどの保健所では、追加で業務を担当する部署を設定できずにいる。これまで自宅療養者の管理は区ごとに病院2~3か所が管理していた。病院が患者のモニタリングを担当し、患者の苦情などを保健所に伝えるシステムだ。区庁関係者は匿名で状況を語り、「ソウル型モデルを導入するにしても、振り分けられる部署がない状態」だとし、「今よりも連絡を密に取らなければならなくなる。様々な苦情対応などの連絡業務が多く準備に時間を要している」と話した。

医院側は医師が院内に常駐し、自宅療養者をモニタリングしなければならないという内容に難色を示している。医師1人、看護補助2人程度で運営している医院では医師の24時間常駐が難しいためだ。パク・ミョンハソウル市医師会長は「現在、九老区は7~10の医療機関がコンソーシアムの形を取り、夜間は医師が当直することでどうにか対応している」と話し、「早急にこのモデルを拡大するためには防疫指針を変える必要がある」と語った。また、「軽症や無症状の患者が急変する割合は1%以内だ。医師が常に専用の携帯電話を持っていれば、常駐していなくても自宅でも診断が可能だ」と付け加えた。
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