今月5日で開催から30年を迎えた水曜集会(資料写真)=(聯合ニュース)
今月5日で開催から30年を迎えた水曜集会(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の国家人権委員会は17日、旧日本軍の慰安婦問題の解決を求め、ソウルの日本大使館付近で毎週水曜日に開かれている「水曜集会」について、妨害されずに進行できるよう警察が積極的に保護を行う必要があるとし、緊急の救済措置を取るよう勧告した。 また二つの集会が同時に同じ場所や隣接した場所で行われた場合、反対集会側による水曜集会の妨害や、慰安婦被害者をはじめ水曜集会の参加者に対する名誉毀損(きそん)などがあれば、現場で警告し、被害者側が処罰を求めれば積極的に制止して捜査することなどを勧告した。 水曜集会を巡っては、主催側の「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)」など革新系団体と集会に反対する保守系団体との間で衝突が激化しており、主催側5団体からなる「日本軍『慰安婦』被害者支援団体ネットワーク」が5日、国家公権力が水曜集会の会場で発生している人権侵害や暴力、ヘイトスピーチなどを放置しているとし、国家人権委員会に救済を求め陳情していた。 主催側の主張に対し、管轄する鍾路警察署の署長は「対立する二つ以上の集会の届け出があれば、関連法により団体間の区域を分け、暴力など物理的な衝突が発生しないように措置している」とし、「集会の最中に発生した一部の行為や発言を理由に集会を制止すれば過度な公権力の行使により集会の自由を侵害する懸念がある」などと説明した。 だが、人権委は水曜集会が持つ歴史的な意味を考慮すれば、警察が妨害行為から積極的に保護する必要があると判断した。 人権委は水曜集会について、日本の反人道的犯罪に対して韓国の市民社会がその責任を問う世界史的にも前例を見つけるのが難しい運動とし、「1992年1月から30年にわたり、毎週同じ時間に同じ場所で開かれた世界最長の集会として知られている」と指摘した。 その上で、「この問題は保護されるべき二つの集会が同時に同じ場所で行われる場合の調整に関する問題と捉えるのではなく、正義と真実を追求し、不正に対する責任を求める世界最長の集会をどのように保護するべきかを念頭に置くことが人権の基本原則に合致する」と強調した。 また人権委は水曜集会を妨害する目的で反対集会の届け出があった際に、警察が消極的に対応し、水曜集会側の権利を侵害したと判断した。 人権委は、反対集会側の妨害行為が続けば、被害者の自由や人格権が損なわれるのは明確であり、水曜集会の目的や歴史性まで失われることになるとし、妨害行為に対する警察の消極的対応に関連し、緊急救済措置の実施を勧告する必要があると強調し、今後措置の履行状況を点検する予定と伝えた。
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