「ワクチン接種の強制は人権侵害」の主張に対し「科学を無視した危険な主張」=韓国報道(画像提供:wowkorea)
「ワクチン接種の強制は人権侵害」の主張に対し「科学を無視した危険な主張」=韓国報道(画像提供:wowkorea)
防疫パスの効力停止申請をめぐり、韓国政府と申請者側が防疫パスとワクチンの効果について正反対の主張を展開した。申請者側は「ワクチン接種は殺人行為」と主張し、これに対して政府側は「危険な主張」と懸念を示した。

7日、ソウル行政裁判所で防疫パスの効力停止申請事件の審問が開かれ、ヨンナム(嶺南)大学医学部のチョ・ドゥヒョン教授ら申請者側は、防疫パスはもとより、新型コロナワクチンの効果を否定する主張を続けた。

申請者側は「ワクチン接種により多くの死者が発生している。ワクチン接種はひどく言えば殺人行為。ただちに中断すべき」とし、「新型コロナ治療薬が続々と市販されている状況で、安全性が検証されていないワクチンを子どもにまで接種し、死に至らしめるのか」と声を荒げた。

続いて「防疫パスによって事実上ワクチン接種を強制する場合、誰かにとっては生命権の問題になる。また、未接種者は社会的羞恥(ちじょく)の対象になり、人に会う権利の深刻な侵害を受けている」とし、「施設の利用制限で教育権など憲法侵害も甚(はなは)だしい」と主張した。

申請者側は「ウイルスは時間が経つにつれて毒性は弱まり、感染力は強まる過程を経る」とし、「効果が薄く重大な副作用が多く起こるワクチンに頼った政策から脱しなければならない」と主張した。さらに「オミクロン株は普通の風邪になったが、風邪を予防するために全国民がワクチンを3回も接種しなければならないと考えているのか」と付け加えた。

政府側を代表して出席したソン・ヨンレ中央事故収拾本部社会戦略班長は申請者側のこうした主張に対し、「科学と医療業界の現場を無視する根拠のない危険な主張」と一蹴(いっしゅう)し、「世界の新型コロナウィルスによる致命率の分析では、季節性インフルエンザに比べて実際に5~10倍程度高い」とし、「米国だけで80万人以上が死亡している状況だ。各国の死者はそれぞれの国の防疫成果によって異なる」と説明した。

続いてワクチン効果についても「韓国だけでなく世界のデータでも”ワクチンが効果がない”とか”危険だ”という結果は現れていない」とし、「世界の科学界が新型コロナウィルスによる致命率を下げるためにワクチン接種は効果的だとみている」と述べた。

ソン班長は「新型コロナウィルスの重症者と死者の過半数が成人全体の6%にすぎないワクチン未接種者」とし、「ワクチン未接種者による感染拡散を防ぎ、このために割り当てられる医療体系を守るために防疫パスが必要だ」と述べた。

また、「新型コロナ対応の医療体系が崩壊した場合、一般医療体系も崩壊する」とし、「昨年の新型コロナウィルスの感染拡大以降、欧州で死者が多く発生したのも医療体系崩壊によって新型コロナ患者はもちろん一般患者まで死者が発生したため」と説明した。

続いて「ワクチン接種が実施できなかった当時はソーシャルディスタンス強化措置を取ったが、現在のようにワクチン接種率が高くなった状況では、未接種者の感染を遮断すればするほど、医療体系を効果的に保護することができる」と述べた。

また「ソーシャルディスタンスの効果は強いが、社会・経済に影響が大きい」とし、「このためドイツ、フランス、シンガポールなど海外でも以前のロックダウン政策の代わりに防疫パス政策に切り替えている」と述べた。

ソン班長は防疫パスの基本権制限については「陰性証明書や医学的事由がある場合は例外を認めている」とし、「例外を設けないためには。ドイツ、フランスと違い、われわれは最大限基本的人権を保障しようとしている」と説明した。

審問を終えた後、早ければ1~2週間以内に防疫パスの効力を停止するかどうかを決定する見通しだ。
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