北京冬季五輪の外交的ボイコットの選択を迫る米…韓国の立場、岐路に=韓国報道(画像提供:wowkorea)
北京冬季五輪の外交的ボイコットの選択を迫る米…韓国の立場、岐路に=韓国報道(画像提供:wowkorea)
韓国政府は米国が北京冬季オリンピックの「外交的ボイコット」を公式化した状況でも、北京五輪の開催の成功を支持するという従来の立場を再確認した。ただ、韓国から政府使節団を派遣するかどうかについては明言を避けた。北京五輪まであと3か月を残すのみとなった現在、立場の選択を強要するG2(米国・中国)の水面下の外交戦が熾烈(しれつ)に展開され、韓国の苦悩は大きくなる一方だ。

チェ・ヨンサム(崔永三)外交部報道官は7日に定例ブリーフィングで、米国が北京五輪の外交的ボイコット決定に対する韓国政府の立場について「他国の政府の外交的決定に対して韓国外務省が言及する事項はない」としながらも、「韓国政府は北京冬季五輪の開催成功を支持してきた」と述べた。続いて「2018年のピョンチャン(平昌)、2021年の東京、そして2022年の北京へと続く今回の五輪が北東アジアと世界平和と繁栄、南北関係に貢献することを願っている」と付け加えた。

韓国外務省によると、米国は外交的ボイコットの決定を公式発表する前に、韓国政府側に決定事項について通知があったという。ただし、ボイコットへの参加要求などはなかったと崔報道官は伝えた。ジェン・サキ米ホワイトハウス報道官も6日(現地時間)、「われわれは同盟国にもこの決定を知らせており、それぞれの国の決定にゆだねる」と答えていた。

しかし米国の「公式な」要請はなかったとしても、実際に米国の立場に同調する国家が多くなれば、同盟国である韓国政府の悩みも深まる見通しだ。

これに関連し、ニュージーランドは直ちに政府使節団を送らないと宣言した。ただ、米国のように新疆ウイグル自治区の人権問題が理由ではなく、新型コロナウィルスによる安全上の理由を挙げた。さらに、英国、オーストラリア、フランス、カナダも外交的ボイコットを検討していると報じられている。

ただ、このような動きが一部の国家にとどまれば、韓国政府の立場の幅も広がる可能性がある。日本の岸田首相は「オリンピックと日本の外交を総合的に考慮し、国益の観点から判断していきたい」と述べている。

現在もっとも可能性の高いシナリオとして、2018年のピョンチャン(平昌)冬季五輪の開会式に中国側が参加した時と同じ「クラス」の人事を送ることが考えられる。中国は平昌五輪の時、ハン・チェン副首相(政治局常務委員)を代表として出席させている。

これは、中国側に背を向けずに平昌五輪の返礼訪問をするという点で、同盟国の米国にも名分が立つ。特に、来年初めにリモートで行われる韓中首脳会談が実現すれば、韓国の参加を要請する中国側の圧迫はさらに強まるものとみられる。

一方、対話がストップしている北朝鮮を外交の舞台に引き出そうとしていたムン・ジェイン(文在寅)政権の描いたシナリオは実現が困難になった。チョンワデ(青瓦台/大統領府)は北京五輪と終戦宣言は「別個のもの」と強調しているが、北京五輪を契機に南北首脳が再会する「第2の平昌」構想は事実上消滅した。

さらに、米国の北京五輪の外交的ボイコットは、米中の摩擦が単に経済を越え、イデオロギー、体制の摩擦であることを公式化した。これは南・北・米・中がともに戦争の終結を宣言する状況に逆行しているといえる。

米国の主要な同盟国がすべて北京五輪への不参加を宣言した場合、文大統領の訪中はもちろん、閣僚を参加させることさえ難しくなる可能性もある。これを拒否した場合、以後の外交的影響が予想される。

外務省の関係者はこの日、記者団に対し「われわれを除いた他国の参加について引き続き見守りたい」と述べ、「現時点で決定するのは難しい」と述べた。

9日と10日に米国のバイデン大統領が主宰する「民主主義のための首脳会議」の開催が不透明になる見通しだ。韓国を含めた110カ国余りが参加する今回のリモート会議で、北京五輪の外交的ボイコットに対する意見がどのように集まるかが注目される。
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