統一部の李仁栄(イ・イニョン)長官(資料写真)=(聯合ニュース)
統一部の李仁栄(イ・イニョン)長官(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】朝鮮戦争で北朝鮮軍の捕虜となった元韓国軍兵士による訴訟を審理している裁判所が、韓国の南北経済文化協力財団が北朝鮮側に送った朝鮮中央テレビ映像などの著作権料の送金ルートを公開するよう要請したものの、統一部が公開を拒否したことが3日に分かった。

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 法曹界によると、ソウル東部地裁は原告の元兵士の要請を受けて今年4月、同財団が2005年から08年にかけて北朝鮮側に送った著作権料7億9000万ウォン(現在のレートで約7500万円)について、受取人と送金ルートの事実照会を統一部に要請した。

 これに対し、統一部は先月13日に提出した照会への回答文書で、送金ルートなどを公開できないとする立場を示した。原告側の弁護士によると、同部は「統一などに関する問題であり、南北経済文化協力財団の営業上の秘密に当たる」との理由を挙げて公開を拒否したという。

 統一部の関係者は「情報公開法にのっとり、説明可能な範囲内で情報を提供した」とした一方、「公開した範囲内に送金ルートは含まれていない」と伝えた。

 元韓国軍兵士2人はこれに先立ち、朝鮮戦争時に北朝鮮軍に捕虜として捕らえられ労働を強いられたとして北朝鮮政府と金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長を相手取り損害賠償を求め、勝訴していた。

 裁判所はその後、北朝鮮に支払う著作権料を裁判所に供託している南北経済文化協力財団に著作権料から賠償金を支払わせるため取立命令を出したが、同財団はこれを拒否。原告側は昨年12月、ソウル東部地裁に同財団を相手取り取立金請求訴訟を起こした。

 南北経済文化協力財団は南北の民間交流・協力のため04年に設立された。05年以降、北朝鮮の出版物や朝鮮中央テレビの映像の著作権料を韓国のテレビ局などから代理で徴収して北朝鮮に送金していたが、対北朝鮮制裁で送金が難しくなったため、09年からは著作権料を裁判所に供託している。


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