現在、韓国の次期大統領に関する世論調査で支持率1位を記録しているユン・ソギョル(尹錫悦)元検察総長。ムン・ジェイン(文在寅)大統領の側近「タマネギ男」チョ・グク(曹国)元法相や「タマネギ女」チュ・ミエ(秋美愛)前法相と対立し、2人を次々と辞任に追い込んだ人物である。

この有力大統領候補ユン・ソギョル氏が29日、次期大統領選挙への挑戦を正式に宣言する。ユン元総長は24日、代弁者を通じて「国民の皆さんに私がこれから歩いていく道についてお話しする」と明らかにした。今年3月4日、検察総長から退いてから約4か月ぶりだ。

「お話し」の時刻は午後1時、場所はソウル瑞草区にある「梅軒・尹奉吉義士記念館」である。ユン総長はこの席で、政治参加を公式宣言し、次期大統領選挙への出馬の意思も明らかにすると予想される。

現在、次期大統領として支持率1位の人物であるだけに、彼の「秘密」を暴くとしているいわゆる「ユン・ソギョルXファイル」は与野党の最大イシューとして浮上している。29日には自らこれについても言及するとみられる。また、保守野党「国民の力」に合流するのかについて具体的に言及するのか、注目される。

ユン元総長は次期大統領選挙への挑戦を宣言し、これまで強調してきた「公正」と「常識」などのメッセージを出すと期待されている。しかし、今回の「お話し」の場所は日本との武装独立闘争の象徴することは気になる所だ。

検察総長の退任後に初めて公で歩みを見せた場所は抗日闘争の先頭に立ったウダン(友党)イ・フェヨン(李会榮)の記念館であった。独立運動として武装闘争を行った人物である。

今回、出馬宣言の場所として選んだ場所も韓国の独立闘士であるメホン(梅軒)ユン・ボンギル(尹奉吉)の記念館である。尹奉吉とは1932年、中国上海で行われた天長節(天皇誕生日)記念行事で爆弾事件を起こした人物だ。当時、要人2名を含む多数に重軽傷が発生した。現場で自殺を図ったが、失敗してその場で逮捕され、死刑となった人物である。

ユン元総長の代弁者はこれについて「梅軒記念館は大韓民国の独立の基礎となった独立運動家尹奉吉義士の崇高な愛国精神を称える場所だ」とし「私たちの先祖が命を捧げて作り上げた大韓民国建国の基礎的な憲法の精神を受け継いでいくという意志を国民に見せるため」と説明した。

米国や日本の緊密な協力と支援を通じて朝鮮戦争の廃墟から「漢江の奇跡」を作り出し、韓国を世界10位の経済大国に導いてきた保守勢力。北朝鮮や中国と接近する革新左派との政権争いには差別化が必要であるはずだが、選んだ場所は意外と抗日運動のゆかりの地である。

平和な方法論で日本からの独立を求めた人物も多い。日本の統治当時の法律が「独立」を「違法」にしていたから仕方ないとの意見も確かにある。しかし、「違法」を超えて「武装闘争」や「暗殺」を通じて独立運動を行った人物の記念館を出馬の場所として選んだことは、韓国保守の代表格としては意外な選択である。

韓国社会に「公正」や「常識」や「法治」を取り戻す希望を与えて国民の支持を得ている人が、「武装闘争」や「反日」と同居するならば、弾劾で革新左派勢力に政権を渡してしまった保守系のパク・クネ(朴槿恵)元大統領と同じ道を歩むことになるはずだ。

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