検察が、麻薬投薬後に友人に7時間を超える暴行を加え殺害し、遺体を盗んだスーツケースに入れて遺棄した事件に対し最高懲役18年の判決を下した1審を不服として控訴した。

インチョン(仁川)地検は殺人と死体遺棄の疑いでA氏(23)とB氏(22)にそれぞれ懲役18年と懲役10年を宣告した1審の判決を不服として控訴状を提出した。

検察は仁川地方裁判所第15刑事部(裁判長ピョ・グクチャン)の審理で開かれた結審公判でA氏に無期懲役、B氏に懲役30年を求刑した。
検察は求刑当時、「殺人の意図、犯行に対して否認したが解剖鑑定書の記載内容、証人陳述に照らして公訴事実は全て有罪と認められる」とし「気を失っていく被害者の写真を撮ってSNSに上げるという反人倫的行為にためらいもなく、被害者のふりをして家族や知人などと連絡をとり、犯行後に携帯電話を捨てて髪形も変え逮捕を免れようとした」と述べた。

続いて「殺人の未必の故意が十分に認められ、裁判に至っても殺人の意図はなかったと犯行を否認しており、本当に反省しているのか疑問である」とし「遺族が厳罰を嘆願している点など諸事情を考慮した重刑は避けられない」と求刑の理由を語った。

しかし、1審裁判部は、A氏などへの容疑をすべて有罪と認めながらも、A氏に刑事罰がないこと、B氏の加担程度が低いことなどを考慮して、それぞれ懲役18年と10年を宣告した。

裁判所は「被告たちは裁判で死亡を予見していなかったと主張して一部の容疑を否認したが、死亡の可能性を十分に認識し予見できたと判断して、その主張を認めない」とし「殺人は命という尊い価値を侵害して、被害を回復することができない重大な犯罪であるゆえ、それに相当する厳重な処罰が避けられない」と述べた。

続いて「被告は被害者を長時間にわたって暴行の末に殺害し、被害者はこの過程で精神的、肉体的苦痛を受けた」とし、「死亡後も盗んだスーツケースに遺体を入れて遺棄し、遺族は厳罰を嘆願しているが、被告人Aは刑事罰の前科がなく、Bは罰金刑以外に同種の処罰、前科がないこと、Bは比較的加担程度が低いことなどを考慮して刑を決めた」と判示した。

被害者であるCさんの父親は、1審の判決が出るとすぐに傍聴席から立ち上がって、裁判部に向かって「10年なんてありえない。家族の苦痛が分からないのか?私が人を殺しても10年で済むのか?」と叫んで強く抗議した。

A氏たちは昨年7月29日午後2時、ソウルマポ(麻浦)のオフィステルで麻薬を吸引して同い年の友人であるCさんを拳と足などで7時間に渡り暴行し死亡させた疑いで起訴された。
彼らはまたCさんの遺体を盗んだ知人のスーツケースに入れて、仁川市中区チャムジン(蚕津)島のある船着場に捨てた疑い。そして遺体を遺棄した2日後の7月31日に住民から「船着場に不審なスーツケースが捨てられている」と通報があり、警察の捜査網が狭まってくると8月2日午後8時30分頃に自宅近くのソウル麻浦警察署に自ら出頭した。

A氏たちは警察の調べに対し「普段から口が悪く、カネを返さないので良くない感情を持っていた」と述べたことが確認された。
彼らは犯行当日、Cさんが亡くなる前に暴行を受け、顔にあざが出来ているCさんと一緒に写真を撮ってSNSに上げ、犯行直後にCさんの携帯電話で家族とメッセージのやりとりをしたことも確認された。

A氏たちは裁判に引き渡され、「死亡事実は認めるが殺人の意図はなかった」と容疑を否認した。また、「計画殺人や死亡に至ること予見した点については否認する」とし「ステンレス棒で被害者の頭を殴ったという(捜査機関の調査の)ことも事実と異なる」とした。
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