海外入国者の防疫失敗…変異株に数十人が感染…ついに「堤防」決壊か = 韓国(画像提供:wowkorea)
海外入国者の防疫失敗…変異株に数十人が感染…ついに「堤防」決壊か = 韓国(画像提供:wowkorea)
新型コロナウイルスの変異株が国内の地域社会に広がった初の事例が発生し、防疫当局は不測の事態に陥った。事実上、海外入国者の自宅待機がしっかりと守られなかった防疫の失敗事例であり、深刻な事態となっている。

 既存のコロナウイルスより感染力や致死率がより高いことが分かっている変異株は、昨年末、英国で初めて発見されて以降、速い速度で全世界に拡大している。南アフリカ共和国とブラジルなどでも新たな変異株が現れ、このような変異株は現在、全世界75か国で拡大している。これまでうまく防いできた国内でも、遮断壁が崩れている状態だ。防疫当局は、これ以上の流入と拡大を防ぐことに総力を挙げる計画だ。

 4日、中央防疫対策本部によると、国内での変異株は1日以降に5件が追加で確認され、昨年10月からの累計件数が39件となった。このうち英国の変異株は27件、南アフリカの変異株は7件、ブラジルの変異株は5件である。

 特に新規の5件のうち4件は、英国の変異株が地域社会に流入した事例として確認された。キョンナム(慶南)ヤンサン(梁山)2人、キメ(金海)1人、チョンナム(全南)ナジュ(羅州)1人である。

 4人は先月7日に初めて感染者が発生して以降、全部で38人の感染者が発生した外国人親戚集団感染の関連事例だ。このうち36人はインデックス・ケース(初発症例)の一家と親族で、残り2人は知人で全員外国人だ。変異株が確認された4人は全員親族で、昨年12月25日にアラブ首長国連邦(UAE)から入国したシリア国籍の外国人(初発症例)の家に訪問し、感染したものとみられている。

 問題は感染者38人全員が変異株に感染しているかどうかの調査が終わってないという点だ。一次検査を受けた4人が変異株の感染が確認されただけに、残りの全員が変異株に感染している可能性が高い。

 パク・ヨンジュン 防疫対策本部 疫学調査チーム長は「38人全員が変異株に感染しているかどうかの調査が終わったわけではないが、 4人から同一のウイルスが検出されたということを根拠とし、確認された全員が変異株に感染している可能性が高いので管理している。」と述べた。

 不幸中の幸いにも今回の集団感染事例と関連した濃厚接触者49人は、自宅待機後の待機解除前の一次検査を完了し、全員陰性であった。また4、5人ついては二次検査が残っている。 その他の接触者136人は一斉検査を実施しており、現在まで追加の感染者は出ていない。感染者38人のうち33人は治療を終え隔離が解除されており、5人はまだ隔離中である。

 しかし、変異株の感染力が強いという点からも散発的な発生の懸念が高まっている。英国の変異株は国内の新型コロナウイルス流行を引き起こしているGH系統(型)とは違うGR系統(型)で、感染力や致死率がさらに高いことが分かっている。

 パク・ヨンジュン チーム長は「濃厚接触者を中心に限定的に感染したものと判断する。」としながら「変異株は感染力が高いと海外から伝えられており、それを念頭において検査対象を拡大している。」と付け加えた。

 また「防疫当局として最大限、変異株が流行している国の外国人を対象に、流入遮断措置を取っている。」とし「地域社会への流入という部分を念頭に置き、地域社会の監視を強化している。」と述べた。

 キム・ウンジン 防疫対策本部検査分析1チーム長は「変異株の発生国が増え続けており、現在75か国で確認されている。」とし「それだけでなく該当の国で有病率が増加している。」と現在の状況を分析した。

 また「有病率が増加している監視対象国をアップデートしており、全数検査の対象国を英国と南アフリカ、ブラジル、UAE、シリア、アフリカに拡大した。」とし「アメリカとフランス、日本などについても監視を強化し、検査件数を増やしている。」と述べた。

 現在政府は、変異株の流行国からの入国者及び在留外国人からPCR検査陰性証明書を受け取り、追加の感染発生を防ぐため、臨時検査施設でPCR検査も行なっている。また隔離は陰性が確認される時まで行われる。

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