光州地裁に入る全斗煥被告(中央)=30日、光州(聯合ニュース)
光州地裁に入る全斗煥被告(中央)=30日、光州(聯合ニュース)
【光州聯合ニュース】韓国軍が市民らの民主化要求行動を弾圧した1980年の5・18民主化運動(光州事件)の際、軍がヘリコプターから市民に射撃したと証言した故人をうそつき呼ばわりしたとして死者に対する名誉毀損(きそん)の罪に問われた元大統領の全斗煥(チョン・ドゥファン)被告(89)の判決公判で、光州地裁は30日、懲役8カ月、執行猶予2年(求刑・懲役1年6カ月)の有罪判決を言い渡した。  全氏は2017年に出版した回顧録で、光州事件当時の軍のヘリコプターからの射撃について証言した故チョ・ビオ神父を「聖職者という言葉が意味をなさないほど破廉恥なうそつき」と非難し、18年5月に在宅起訴された。 地裁は判決で、80年5月21日と同月27日にヘリが光州市中心部を射撃したことが十分に証明されたとし、チョ神父が目撃した5月21日の状況を中心に有罪と判断した。「ヘリからの射撃の有無は歴史的に非常に重要な争点だ」とした上で、被告の地位や光州事件で被告が行った行為などを総合すれば、ヘリからの射撃があったことを認識できたと指摘。チョ神父を除き、ヘリからの射撃を目撃した証人16人のうち8人の証言は十分に信用でき、客観的状況も裏付けられたとした。  また、被告は裁判中一度も反省や謝罪をせず、自身の正当性を主張するために被害者を非難する回顧録を出版したとする一方で、執行猶予とした理由については、光州事件そのものに対する裁判ではないため被害者が侵害された権益の観点から判断したと説明した。 裁判長は判決の言い渡しに先立ち、光州事件について最も大きな責任がある被告が苦痛を受けた多くの国民に心から謝罪することを願うと述べたが、全氏は裁判の間、終始居眠りする姿を見せた。
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