(画像提供:wowkorea)
(画像提供:wowkorea)
漢字文化圏の日本と韓国には共通する言葉が多い。「同病相憐れむ」もその一つだ。新型コロナウイルスの影響もあり、国民の自殺が増えている日韓はまさに「同病相憐れむ」の状態だ。国家の存在意義の第一は国民の生命を守ることであるからだ。

f(x) の最新ニュースまとめ

 韓国発の記事を見ると、「極端的な選択」という言葉が目立つ。自殺を自殺と呼ばないための工夫である。自殺関連のニュースが模倣自殺を誘発する「ウェルテル効果」を防ぐための配慮である。

 日本の毎日新聞や産経新聞によると、8月の日本の自殺者数は昨年の同月より15%も増えたという。自殺者の中で女性は昨年同月比に40%増えた。特に若い女性の自殺者数が急増し、30代以下の女性に限定すると増加率はなんと74%だったそうだ。

 この背景とされているのは、新型コロナウイルスによる不況で先行きが不透明になり、生活の困窮が増えているという分析がある。日本のいわゆる「バブル崩壊」の混乱の際もそうだったように、今回のコロナ禍においては、これからも自殺者が増えてしまう可能性が大きいという懸念が出ている。日本総合研究所は「失業率が4%まで上がってしまうと、現役世代(30〜60代)を中心に自殺者が増える恐れがある」と分析している。

 しかし、この経済要因は老若男女の共通の状況であり、これでけでは若い女性の驚くほどの自殺増加率の説明が難しい。コロナウイルスによる在宅勤務や休校により、家事や育児の負担が増えたことが、若い女性層に対してもっと致命的な結果をもたらしたと思われる理由だ。

 日本の関係機関はこれらの衝撃的な状況を受け、韓国に協力を求めている。日本の「いのち支える自殺対策推進センター」が韓国の「中央自殺予防センター」に、日本で女性の自殺者が急増している状況に対し、原因分析などを尋ねているとのこと。日韓関係が冷え込んでいる中、意外な分野で日韓協力が行われたのだ。

 なぜ韓国なのか?韓国はOECD国家の中、自殺率1位の国である。しかも14年間も不動の1位だった。2017年の統計でリトアニアに続き2位になった事はあるが、リトアニアのOECD加入が2018年だったことを勘案すると、OECD17年連続の自殺率1位である。

 欧米に比べると韓国は日本と類似した社会文化の中、24年前には通貨危機を経験した。以降、韓国は日本より随分早く「年功序列」が撤廃され、社会の急激なデジタル化と共に「無限競争」や「所得格差」による深刻なストレス状態になっている結果だと思われている。

 その韓国に対して、日本の関連機関がノウハウを聞いてみることは当然かもしれないが、近年の日韓関係の冷え込みを考えると、かなりの勇気が必要だったはずだ。

 日本では5月に女子プロレスラーの木村花さん、9月14日に女優の芦名星さん、9月27日に女優の竹内結子さんが「極端な選択」をしたとみられ、韓国でも話題となった。韓国では、ノ・ムヒョン元大統領、芸能人としては「SHINee」ジョンヒョンさん、「KARA」出身女優ク・ハラさん、「f(x)」出身女優ソルリさん、最近は現役ソウル市長パク・ウォンスンさんなどが「極端な選択」をしてしまい、日本でも話題となった。

 文化的に日韓は共に死を「自然に戻る」ことと受け止めることが多く、日本では富士山麓の「樹海」が場所と選択されたり、韓国ではソウルを貫通する大河「漢江」が選択されたりする。日本では人に見つからない場所が有名な反面、韓国では人に見られる場所がの有名である。日本でも良く知られている映画監督キム・ギドク氏の映画「鰐〜ワニ〜」では、漢江で自殺者の遺体を探す仕事が描かれ、色んな意味で話題となっていた。

 これから日韓の意外な分野の協力が無事に実り、1人でも多く大切な命を自殺から守る試みが実現することを願いたい。

 もしもこの記事を読む読者が一人では耐えきれない重みを感じているならば、少し人に相談してみてほしい。「こころの健康相談統一ダイヤル」で電話番号は「0570-064-556」である。
Copyrights(C)wowkorea.jp 6