北朝鮮軍による銃撃を受け死亡した公務員が乗船していた“ムグンファ10号”(画像提供:wowkorea)
北朝鮮軍による銃撃を受け死亡した公務員が乗船していた“ムグンファ10号”(画像提供:wowkorea)
去る9月22日、韓国北西部のヨンピョンド(延坪島)近くの海域で、漁業指導活動中であった韓国海洋水産部(省)所属の公務員が、北方限界線の北朝鮮側の海域で北朝鮮軍による銃撃を受け死亡した事件。

 韓国国防部(防衛省に相当)は24日 最初の説明で、多様な諜報を分析した結果、北朝鮮側で発見されたこの公務員に対して北朝鮮は銃殺し、その遺体を火葬するという蛮行を犯したと発表した。

 しかし北朝鮮は25日 青瓦台(韓国大統領府)に送った通知文で、この公務員ではなく、つかまっていた浮遊物を燃やしたと主張したことで、韓国政界では問題となっている。

 韓国海洋警察は29日 中間捜査の結果を発表し、この公務員には“越北(北朝鮮への亡命)”の意思があったことを確認したとして、「自らの“越北”であった」と結論付けた。

 しかし この発表には、いくつかの疑問が残っている。この公務員が38キロメートル以上の海を救命チョッキと浮遊物に乗っただけで、北朝鮮の海域まで行ったという海洋警察の発表には、首をかしげざるを得ない。

 常識的に考えると、40代後半の男性が救命チョッキを着て1人が乗ることのできる浮遊物で波をかき分け、38キロメートルを進むことができるだろうか。いくら体力のある頑強な男性でも、38キロメートルを行くのは簡単なことではない。

 延坪島の海について詳しい地域の漁民たちは「北からこちらにゴミが南下することはあっても、こちらから北上していくことは見たことがない」と語った。しかし海洋警察はこの日 取材陣に「浮遊物に乗った状態で“潮流”と“人為的な行為(足による水かき)”をすれば行くことができる」と語っている。

 海洋警察によると、この日の発表の報道を見た海洋警察の職員は「国防部は発表後に後ろに隠れ、海洋警察が矢面に立たされ、犠牲となるのではないか」とし「もどかしくて悲しい」と語った。

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