コロナ再拡散下でも…S&Pが韓国の成長率見通し高い理由は?(画像提供:wowkorea)
コロナ再拡散下でも…S&Pが韓国の成長率見通し高い理由は?(画像提供:wowkorea)
世界的な信用格付け会社であるスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、韓国の今年の経済成長率の見通しを-0.9%に修正した。従来より0.6%ポイント上げた形となる。8月中旬から始まった新型コロナウイルス感染症の再拡散をきっかけに、他の主要な国内外の経済機関が韓国の経済成長率を次々と下方修正したのとは対照的である。S&Pは、これらの見通しを出した背景に「コロナ渦での(韓国の経済実績が)予想を上回る」ためだと説明した。

S&Pは報告書で「コロナの再流行は、韓国の経済正常化を遅延させ、消費者の支出も減らした」とし「企業は今年の初めに見送った非正規職労働者を再び採用し始めたが、再流行により推進力が弱まった」と指摘した。

そう指摘しつつもS&Pは、韓国の経済状況について「コロナ大流行の中で期待を上回っている(A relative outperformer amid pandemic conditions)」とし「他の多くの国に比べて韓国の経済的被害は限定的」だと肯定的に評価した。

レポートの分析対象のアジア・太平洋地域14カ国のうち、2020年の予測値が以前より上方修正された国が多いわけではない。韓国(0.6%p↑)と中国(0.9%p↑)、台湾(0.4%p↑)、ベトナム(0.7%p↑)の4カ国に過ぎない。

一方、S&Pはフィリピンに対しては6.5%p、インドは4.0%pなど予想値を大幅に下げた。今年下半期に入ってコロナの新規感染者が韓国とは比較できないほど急激に上がった地域である。フィリピンでは8月の1か月間だけで10万人を超える新規感染者が発生した。インドでも同じ期間200万人近い新規感染者が発生したが、これはコロナ流行開始以来の月間新規感染者数において世界最高の水準だという。

これによりS&Pは、アジア・太平洋地域諸国の今年の平均GDP成長率を従来の-1.4%から0.7%p下げた-2.0%と予想した。

S&Pは報告書で、「最悪の状況は過ぎたが、これからが大変な時期」とし「政府の支援政策がだんだん減っていけば、コロナによる真の被害規模が明らかになるだろう」と述べた。

来年度の実質GDP成長率の予測値は、従来と同じ6.9%とした。コロナ拡散前の推定値より約5%p低い水準だ。S&Pは、来年もアジア・太平洋諸国における経済回復のペースは遅いことを予想しながらも「2021年半ばまでに広く使用することができるワクチンが出る可能性が高まってきている」ことにも言及した。

韓国の2021年の実質GDP成長率については、既存の4.0%から0.4%p下方調整した3.6%を予想した。S&Pは「韓国の製造業は貿易の力で回復をリードしていく必要があるが、投資は2021年末まで低迷した状態の可能性もある」とした。
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