男性が乗っていた漁業指導船=24日、仁川(聯合ニュース)
男性が乗っていた漁業指導船=24日、仁川(聯合ニュース)
【仁川聯合ニュース】韓国北西部の小延坪島付近で行方不明になり、北朝鮮側の海上で北朝鮮軍に射殺された公務員の40代男性が、遺書などを残しておらず、北朝鮮側に渡ろうとしていた痕跡なども見つかっていないことが分かった。 仁川海洋警察署は24日午後に開いた会見で、男性が乗っていた海洋水産部の漁業指導船の調査結果を発表した。 男性は海洋水産部管下の漁業指導管理団に所属する指導員で、同船に乗船中、21日から行方不明になった。同船は現在、小延坪島に近い海上に停泊している。 海洋警察によると、男性が使用していた漁業指導船内の1人部屋からは、男性の携帯電話が発見されず、遺書などもなかったという。 携帯電話は、海洋警察が21日午後1時19分ごろ、基地局を通じて確認したところ、電源が入っていない状態だった。 海洋警察は船内で男性の手帳、財布、衣類などを確保。携帯電話の通話履歴や金融口座なども確認している。   また船内には2台の防犯カメラが設置されていたが、故障して18日から作動しておらず、男性の当日の様子などについては把握できなかった。 同僚などによると、男性は清掃を率先して行うなど勤勉で、北朝鮮に関心を持っている様子はなかったという。 ただ海洋警察は、男性の靴が船内に残っていた点や、男性が借金に苦しんでいた点、潮の流れに通じていた点などから、自発的に北朝鮮に向かった可能性を排除せず、調査を続ける方針を明らかにした。 指導船は今月16日に全羅南道の木浦を出港。男性は17日に延坪島の海上で同船に乗り、21日に小延坪島の南側2.2キロの海上で行方不明になった。 男性は別の指導船で3年間勤務していたが、14日に辞令により同船に異動となった。 男性は21日午前0時から操舵室で当直勤務をし、午前1時35分ごろ、同僚に別の仕事をすると告げて操舵室を出たことが分かった。 軍と情報当局は男性が、北朝鮮に渡ろうとして海上を漂流し、22日に北朝鮮側の海上で、北朝鮮軍に射殺されたと明らかにした。 国防部は24日、「韓国軍はさまざまな情報を分析し、北が北側海域で発見された韓国国民に対し銃撃を加え、遺体を焼くという蛮行を犯したことを確認した」と発表した。 北朝鮮は救命胴衣を身につけ浮遊物をつかんでいた男性に近づき、北朝鮮側に入った経緯を聞いた後、射殺したとされる。
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