医師のスト、医政交渉の妥結後に分裂した医療界…実利と名分の戦い=韓国(画像提供:wowkorea)
医師のスト、医政交渉の妥結後に分裂した医療界…実利と名分の戦い=韓国(画像提供:wowkorea)
大韓医師協会(医協)と政府・与党間の集団休診関連の合意過程で、韓国の医療界が内紛に包まれた。

パク・ジヒョン の最新ニュースまとめ

チェ・デジブ(崔大集)医協会長は医大増員政策と集団休診などの内容を盛り込んだ合意文に署名したが、専攻医らは‘撤回’が盛り込まれていない合意文は受け入れられないという考えだ。

実利に集中した崔会長と名分を固守した専攻医らが対立している様子だ。

◇実利を得た医協…現政権下での再推進は事実上困難

崔会長が専攻医の反発にも政府・与党と合意に至った背景には実利論が作用したと分析される。

崔会長と政府・与党は公共医大・医大定員の拡大などの政策推進を中断し、関連議論を新型コロナウイルス感染症の状況が安定化した後に延ばすことで合意した。

コロナの治療剤・ワクチンの開発は早くても今年末と予想され、治療剤とワクチンの普及による全世界的な事態安定には相当な時間がかかる見通しだ。そのため、政権後半に入ったムン・ジェイン(文在寅)政権の立場では、医大定員拡大政策は事実上、諦めたのではないかという観測まで出ている。

これを受け、医協が政府に判定勝ちを収めたとか、政府与党が白旗投降をしたという評価まで出ている。さらに医協は政府・与党との交渉を通じ、専攻医らの告発取り下げ、医大生らの国家試験受付期間の追加延長を取り付けた。医協が少なくない実利を得ていたことを示している。

実際、開業医ら会員の多数は、医協としては7日に予告された3回目の集団休診に乗り出すには負担が大きかった。これに医療界の集団休診に対する否定的な世論も勘案するしかなかったという観測だ。結局、追加ストには乗り出さず、医協は実利を最大化したのだ。

医協は医療界最大の団体だが、活動は開業医を中心に行われている。町内病院は、コロナの状況を受け、患者数が減り、一部では経営難に苦しんでいる。ここにいわゆる‘ママカフェ’などでは集団休診に参加した町内病院に対する‘ボイコット’まで続いており、町内病院の立場で集団休診に持続的に参加するのは現実的に難しい。実際、専攻医の休診率に比べて、町内病院のスト参加率は非常に低調だった。

世論調査専門機関リアルメーターがオーマイニュースの依頼で1~2日、全国満18歳以上の成人男女1000人を対象に医療界の集団休診に関する共感度を調査した結果、’非共感’が55.2%で、‘共感’の38.6%を上回った。

崔会長は「(専攻医の要求どおり)撤回後、原点再議論を要求して闘争できる。しかし中断後、原点再議論で合意したのに、何の差異があって撤回という用語に執着するのか」とし「医療人自らも患者に被害を与える。撤回後、原点再議論の要求は本当に消耗的な闘争目標になる」と懸念した。

◇‘過程’が重要だが「専攻医らを排除」…撤回の文句のない合意文は容認できず

一方、専攻医らを含む若い医師非常対策委員会(専攻医・専任医・医大生で構成)は名分と手続きを優先する雰囲気だ。結果同様に過程も重要だが、専攻医側は政府・与党の交渉過程から徹底的に排除されたと声を高めている。

一部の報道によると、パク・ジヒョン大韓専攻医協議会(大専協)非常対策委員長は、崔会長との通話で、専攻医が最終交渉案から排除されたと指摘した。最終交渉案が交渉中に修正されたのなら、内容を共有する‘過程’が必要なのだが、その過程がなかったというわけだ。

パク委員長は4日、インスタライブを通じて「(今回の合意が)崔会長の単独行動なのか、その他の医協の何人かの理事らと進行したのか確認されていない」とし「専攻医協議会とは交渉のテーブルも設けられていない」と批判した。

また、当初要求したとおり、合意文にさらに拘束力のある‘撤回’の文句を盛り込まなかったため、医協と政府・与党間の合意文は容認できないという考えだ。

専攻医らによると、今月3日の汎医療界4大悪阻止闘争特別委員会(汎闘委)の3日の会議で導き出された与党との交渉案には、‘法案撤回’などの内容が盛り込まれたが、最終合意案にはこのような内容が含まれていない。

‘撤回’を明文化しなければ政府がいつでも再び政策を推進できる背景だと見るということだ。

ただし、専攻医らは7日に業務復帰の可否や今後の対応策について議論する予定だ。大専協は医協の傘下団体であり、合意文をただ無視して集団休診を続けるわけにはいかないという声も出ている。

大専協非常対策委員会は「合意過程で起きた手続き上の問題に対して深い遺憾の意を表し、崔会長および汎闘委交渉実務団に事実関係の確認を要請する」とし「誰よりも悔しいが、合意文がどのように履行されるのか神経を尖らせて見守る」と明らかにした。

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