北朝鮮に戻ったと推定される脱北者の男性(読者提供)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
北朝鮮に戻ったと推定される脱北者の男性(読者提供)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
【ソウル聯合ニュース】韓国軍合同参謀本部のキム・ジュンラク広報室長は27日の定例会見で、軍事境界線を越えて北側に戻ったと推定される北朝鮮脱出住民(脱北者)の男性が北朝鮮側に渡った位置を仁川・江華島付近と特定したと明らかにした。  また、この男性のものと特定できるかばんが捨てられているのを発見し、詳細について調査中だと説明した。 軍当局は、現在のところ、男性が鉄条網を直接くぐり抜けたのではなく、鉄条網の下の排水路を通ったとする見方に重きを置いている。 鉄条網自体には警戒装置が設置されており、江華島の北側地域には二重の鉄条網のほか監視カメラ、赤外線監視システム(TOD)などが設置され、警戒がより厳重だ。 鉄条網の下にある排水路にも水を通す形態のスクリーンが設置されているが、地上にある鉄条網に比べて監視が行き届かない点を狙った可能性がある。 コントロールセンターで画面を通じて鉄条網を監視できることから、一部では軍の監視装備が故障していた可能性もあるとの観測も出ている。 警察によると、男性は18日未明に軍事境界線に近い仁川市江華邑に到着後、タクシーから降りたことが確認されている。 その後、この付近で名前などが書かれた所持品の入ったかばんを捨てたとみられる。 軍当局が北に戻った位置を江華島付近と特定したことから、付近の排水路から出発したものと推定される。 男性が2017年に脱北した際は漢江の河口を泳ぎ、喬桐大橋を通って韓国側に入ったとされ、今回も喬桐島から同じルートを利用したとの見方もあったが、軍当局と警察の説明を総合すると今回は別のルートを利用したとみられる。 ただ、満潮・干潮の時間などを考えると実際に排水路を通った時間は調査が必要だというのが軍当局の説明だ。 これに先立ち、韓国軍当局はこの脱北者について京畿道金浦市在住の20代男性と特定し、調べを進めている。 男性が北朝鮮に渡ったと推定される漢江の河口一帯は北朝鮮との最短距離がわずか1.3~2.5キロで、脱北者が泳いで韓国に渡る事例が発生している。
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