北朝鮮に対抗して拡声器を設置する場合、韓国側も板門店宣言に反するというジレンマに陥る。
韓国の政府消息筋によると、北朝鮮軍はDMZの東・西・中部の前線一帯の約20か所に拡声器を設置した。北朝鮮はかつて約40か所に拡声器を設置していたため、今後さらに約20か所に拡声器を設置するとみられる。
ただ、まだ宣伝放送は行っていない。
韓国軍は朝鮮労働党中央軍事委員会が韓国批判のビラ散布を承認すれば、宣伝放送も再開する可能性が高いとみている。
韓国国防部の崔賢洙(チェ・ヒョンス)報道官は23日の定例会見で、「北が南北関係の発展と朝鮮半島の平和維持のため南北が傾けてきた努力と成果を台無しにする措置を行動に移す場合、代価を支払うことになる」と警告。「必要な措置は十分に取る」と述べ、相応の措置を取る方針を示唆した。
韓国の政府関係者は「われわれにもさまざまなシナリオがある。徹底的に準備している」としながらも、拡声器の設置については「話せない」と述べた。
韓国軍当局は撤去した拡声器を点検しているようだ。
北朝鮮は18年5月1日、約40か所に設置していた拡声器を撤去し、韓国も同月4日、約40か所から拡声器を撤去した。拡声器の撤去は板門店宣言を履行した初のケースとされている。
板門店宣言には「(18年)5月1日から軍事境界線一帯で拡声器放送とビラ散布をはじめ全ての敵対行為を中止し、その手段を撤廃して今後、非武装地帯を実質的な平和地帯としていく」との内容が盛り込まれた。
拡声器による宣伝放送は北朝鮮が「最も嫌がる心理戦の手段」とされる。出力を最大限にすれば夜間は約24キロ、日中は約10キロ離れた地域でも放送の内容が聞こえる。
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