政府が「社会的距離確保」を再度実施する可能性も出てきた(イラスト)=(聯合ニュース)
政府が「社会的距離確保」を再度実施する可能性も出てきた(イラスト)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国で28日に発表された新型コロナウイルスの新規感染者は79人と急増し、現在実施されている「生活の中での距離確保」(生活防疫)体制が変更されるかどうかが注目を集めている。 韓国政府は感染拡大防止のために実施していた施設の一部休業を含む「社会的距離確保」措置を今月6日に終了し、日常生活を送りながら感染対策に取り組む生活の中での距離確保に移行した際、「1日平均の新規感染者50人未満」「感染経路不明者の割合5%以内」という基準を提示したが、いずれも最近になって上回った。このため社会的距離確保を再度実施する可能性が出てきた。 政府の中央防疫対策本部によると、28日午前0時現在の新型コロナ感染者数は前日午前0時の時点から79人増えた。1日当たりの新規感染者数が70人を超えたのは4月5日(81人)以来、53日ぶりだ。 感染経路が分かっていない感染者の割合も上昇傾向にある。今月13日から27日までに報告された感染者303人のうち、7.6%に当たる23人は感染経路を調査中だ。 宗教施設や室内スポーツ施設、遊興施設などの運営自粛が求められ、社会的距離確保が実施されていた先月22日から今月6日にかけての2週間はこの数値が6.3%、その後の先月29日から今月13日までの2週間は4.0%に下がっていた。 ところが、生活の中での距離確保の体制に転じた今月6日から20日にかけての2週間は感染経路不明の感染者の割合が6.3%と再び上昇し、今週を含む直近2週間では7%を超えた。感染経路を適期に把握できなければ最初の感染源を捉えられず、新たな感染を誘発することになる。 防疫当局は新型コロナの感染拡大を防ぐため、大勢が集まる施設の利用を自粛し、ウイルス検査を積極的に受けてほしいと求めているが、市中での静かな感染の広がりを抑えられずにいる。 こうした状況から、距離確保の強化、さらには社会的距離確保への復帰を見込む声も出ている。 中央防疫対策本部の鄭銀敬(チョン・ウンギョン)本部長は27日の会見で「(首都圏の)ソウル市、京畿道、仁川市で感染経路が確認されていない事例が増加の様相を見せており、地域内での感染リスクも高まっている」とした上で、「リスクの度合いを見極め、コントロール可能な範囲ではないと判断すれば、一部の流行地域で社会的距離確保を強化する必要がある」と述べた。
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