疑惑を提起した慰安婦被害者の李容洙(イ・ヨンス)さん(左)と尹氏(コラージュ)=(聯合ニュース)
疑惑を提起した慰安婦被害者の李容洙(イ・ヨンス)さん(左)と尹氏(コラージュ)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】不透明な会計処理などを巡る疑惑が浮上した旧日本軍の慰安婦被害者を支援する韓国の市民団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連)の前理事長だった尹美香(ユン・ミヒャン)氏が国会議員就任後、検察に出頭する見通しだ。4月の総選挙の当選者のうち、被疑者として検察の調べを受ける初のケースになるとみられる。

 尹氏は総選挙で与党「共に民主党」系の比例政党「共に市民党」から立候補し、当選した。両党は今月合併し、尹氏の所属は共に民主党となっている。第21代国会が始まる30日に任期がスタートする。

 正義連の疑惑を巡ってはソウル西部地検が20~21日に同団体の事務所などを家宅捜索し、入手した会計帳簿などを分析している。正義連と尹氏に対する告発件数は約10件に上る。

 同地検は26日、正義連の会計担当者を初めて出頭させるとともに、資金追跡を専門とする調査官を派遣してもらうなど捜査を拡大している。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)検事総長は同日、「徹底的かつ迅速な捜査」を指示しており、捜査が加速するとの見方が大勢だ。

 ただ、資金の流れの分析などに相当な時間がかかるため検察は尹氏を急いで出頭させないもようだ。同氏の寄付金流用疑惑などに対する捜査状況も影響するとみられる。

 このため、30日前の尹氏の出頭は不可能との見方が多い。

 国会開会中は国会議員の不逮捕特権が認められる。尹氏が出頭要請に応じない可能性は現段階では高くないとみられる。


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