新型コロナウイルス感染拡大の輸出への悪影響が懸念される(イラスト)=(聯合ニュース)
新型コロナウイルス感染拡大の輸出への悪影響が懸念される(イラスト)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が今月から本格的に韓国の輸出に悪影響を及ぼすと懸念されるなか、韓国政府が輸出回復傾向を維持するための支援策を打ち出した。 政府は8日、4回目の「非常経済会議」を開き▼輸出上の困難解消▼グローバル供給網(サプライチェーン)の安定化▼企業の研究開発(R&D)負担軽減――の3分野からなる輸出活力の引き上げ策を発表した。 それによると、政府は輸出企業を金融面で支援するため、36兆ウォン(約3兆2000億円)以上の貿易金融を追加で提供する。このうち、企業の輸出保証・保険を減額せず満期延長するのに30兆ウォンを用いる。また、海外で景気てこ入れのために行われるプロジェクトの受注も政策金融で支援する。 新型コロナウイルスは全世界の貿易環境を完全に変えている。各国は感染拡大を防ぐため海外からの入国を制限しており、企業関係者らは海外に出張できずにいる。 こうした状況を踏まえ、政府はバイヤーとのオンライン商談のための国内外のインフラを大幅に拡充し、非対面での商談・契約をサポートしていく。また、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)を活用したオンライン見本市を50回開催する計画にしている。 政府は2国間、多国間のチャンネルを活用し、輸出基盤の維持やサプライチェーンの管理に必要な人材の入国禁止や隔離を解除する働きかけも続けている。国内の主要生産設備を動かすのに必要な海外エンジニアの入国についても、より迅速にサポートする方針だ。円滑な物流に向けては、航空・海運路線を増便して貨物輸送を増やす。 新型コロナウイルスは韓国の輸出全般に悪影響を及ぼしているが、感染の有無を確認する診断キットや手指消毒剤など、危機の中で逆に引き合いが強い品目もある。 政府は医療用品、衛生用品、健康食品、デジタル機器など七つの商品群の輸出をパッケージで支援するほか、オンラインコンテンツの海外進出拡大に努める。中でも、世界的に関心を集めている韓国製の診断キットについては、緊急使用承認や物流・通関・マーケティング支援などを通じて国内での生産と輸出を後押しする方針だ。
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