犠牲者追悼式で演説する文大統領=3日、済州(聯合ニュース)
犠牲者追悼式で演説する文大統領=3日、済州(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「済州島四・三事件」から丸72年の3日、南部・済州の四・三平和公園で開催された犠牲者追悼式に出席し、「真実を土台に被害者と遺族の痛みを抱いて人生と名誉を回復させることは、国家の責務だ」と述べた。「歴史的な定義だけでなく、法的な定義でも真実を具現することが国として必ずなすべきこと」と強調し、国会での「済州島四・三特別法」改正案可決に向け、政界と国会の協力を求めた。 四・三事件は米軍政の支配下にあった1948年4月3日、朝鮮半島の南側だけでの総選挙実施は南北分断を固定化するとして反対した済州島の島民らが武装蜂起し、軍や警察が鎮圧を名目に多くの島民を虐殺した事件。 特別法の政府改正案は2017年12月に国会に提出されたが、犠牲者と遺族への賠償・補償の予算確保などが課題となり、いまだ可決されていない。現在の第20代国会がこのまま来月活動を終えれば、自動的に廃案になりかねないと懸念する声も強い。 文大統領もこの点に「大統領として気持ちが重い」としながら、「政界と国会に、済州島四・三特別法改正に対する特別な関心と支援をお願いする」と述べた。 済州島四・三事件を直視して公正と正義の価値を正すため、党を超えて政界と政府が一丸となって取り組むよう呼び掛けたものといえる。文大統領は2年前の追悼式でも完全な解決への意志を示したが、今回は歴史的な面に加えて制度的な下支えの必要性を訴えた。
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