事件から72年を迎え、四・三平和公園を訪れた犠牲者の遺族ら=3日、済州(聯合ニュース)
事件から72年を迎え、四・三平和公園を訪れた犠牲者の遺族ら=3日、済州(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は3日、済州島民が軍や武装勢力に虐殺された「四・三事件」から丸72年を迎え、済州四・三平和公園で開催された追悼式に出席した。

 四・三事件は米軍政の支配下にあった1948年4月3日、朝鮮半島の南側だけでの総選挙実施は南北分断を固定化するとして反対した済州島の島民らが武装蜂起し、軍や警察が鎮圧を名目に多くの島民を虐殺した事件。

 文大統領が同式典に参列するのは2018年以来で、現職大統領が在任中に2回出席するのは初めて。青瓦台(大統領府)は「四・三(事件)の価値である和解と共生、平和と人権を未来の世代に伝承したいという趣旨」として、「犠牲者と遺族の名誉を回復し、人権向上と国民統合を図るという意志の表れ」と説明した。

 今回の式典は新型コロナウイルスの感染拡大により、規模を大きく縮小した。18年には約1万5000人が出席したが、今回は約150人が参列した。

 文大統領は18年の追悼式で、「これ以上、真相究明と名誉回復が中断したり後退したりすることはない」として、遺骨発掘や犠牲者への賠償・補償、被害者らのトラウマを癒すための国家トラウマセンター設立などを急ぐ方針を示した。

 昨年は国防部次官と警察庁長が史上初めてソウル都心の光化門広場で開かれた追悼式で被害者に謝罪するなどの名誉回復に向けた取り組みが続き、トラウマセンターも今月末に開所する予定だ。


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