北朝鮮が30日に公開した飛翔体発射の写真(労働新聞)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
北朝鮮が30日に公開した飛翔体発射の写真(労働新聞)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮メディアは30日、前日に発射した短距離弾道ミサイルとみられる2発の飛翔(ひしょう)体について「超大型放射砲(ロケット砲)」だったと発表し、関連写真を公開した。

 この日公開された写真は、北朝鮮が昨年8月2日に発射実験を行った「大口径操縦ロケット砲」と形態が似ている。北朝鮮は当時、6本の発射管が搭載された6連装大口径操縦ロケット砲の移動式発射台を公開したが、発射場面はモザイク処理していた。

 30日には、6本の発射管を備えた無限軌道型(キャタピラー型)の移動式発射台からロケット弾が発射される様子がはっきりと写った写真を公開した。

 だが、北朝鮮は今回、超大型ロケット砲を発射したと発表。超大型ロケット砲を試射したとしながら、実際には大口径操縦ロケット砲と似た形態の写真を公開したことになる。これまで超大型ロケット砲として公開した兵器は、車輪型の移動式発射台に発射管4本が搭載されたものだった。

 これを受け、北朝鮮が6連装(口径400ミリ以上級)軌道型と4連装(口径600ミリ級)車輪型の超大型ロケット砲2種類を開発したとの見方が出ている。一方で、大口径操縦ロケット砲の呼び名を超大型ロケット砲に統一したとの解釈や、実際に発射したものとは違う写真を公開して分析を混乱させようとしているといった解釈もある。

 韓国軍の関係者は、北朝鮮が6連装軌道型と4連装車輪型の超大型ロケット砲2種類を開発したと分析していると伝えた。特に、韓米の軍と情報当局は、北朝鮮は昨年8月2日には6連装軌道型の発射台から発射せず、今回初めて発射したとみているという。

 別の軍関係者は、北朝鮮がこれまで超大型ロケット砲だと主張していた移動式発射台(発射管4本搭載)と今回公開した移動式発射台(発射管6本搭載)の形態が異なるため、分析中だと説明した。

 北朝鮮は、6本の発射管を備えた大型ロケット砲を近く実戦配備するとみられる。北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞は30日、前日に発射した超大型ロケット砲は朝鮮人民軍の部隊に引き渡されるもので、戦術・技術的な特性を改めて確証することを目的に国防科学院が試射を実施したと伝え、「試射は成功した」と主張した。

 北朝鮮の4連装、6連装の大型ロケット砲は事実上、短距離弾道ミサイル級だ。射程は最低200キロ、最大で400キロを超える。すでに実戦配備されている口径300ミリロケット砲も、射程が最大200キロに達する。

 北朝鮮が韓国の陸・海・空軍の統合基地である中部の忠清南道・鶏竜台まで攻撃できる口径300ミリロケット砲の配備に加え、口径400ミリ、口径600ミリ以上の大型ロケット砲2種類の実戦配備も控えていることから、韓米両軍による迎撃・対応はそれだけ難しさを増したとの分析もある。


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