90年5月に訪日した盧泰愚大統領(左から2人目)と乾杯する明仁天皇(現上皇、資料写真)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
90年5月に訪日した盧泰愚大統領(左から2人目)と乾杯する明仁天皇(現上皇、資料写真)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
【ソウル聯合ニュース】韓国外交部は31日、盧泰愚(ノ・テウ)政権(1988~93)当時、韓日関係改善のために昭仁天皇の韓国訪問について両国が積極的に検討していた過程を記した文書を公開した。 文書によると、韓国政府は1989年6月に予定された盧大統領(当時、以下同)の訪日を準備する過程で、明仁天皇の訪韓を検討することを外交課題として提示した。   同時期に在日本韓国大使館が本国への報告のために作成した文書でも、大統領の訪日を巡る詳細な交渉内容と天皇の訪韓の可能性を連携させて成果を高めることが提案された。 日本側も、韓国政府が検討していた天皇の訪韓可能性に対して前向きな姿勢を示した。 同年4月に崔浩中(チェ・ホジュン)外務部長官と会談した宇野宗佑外相は、「韓国側の雰囲気が成熟したと判断されれば、日本政府としては特別な事情がない限り(明仁天皇の)最初の海外訪問として訪韓を実現する方向で調整したい」と言及。訪韓に関しては、韓国内の微妙な状況もあると承知しているとした上で、この点を十分に考慮して隠密に返答を聞きたいと述べ、敏感な事案であることをうかがわせた。 また同年8月、中山太郎外相は記者会見で天皇の訪韓可能性について、天皇の海外訪問は各国から歓迎されてきた歴史があるとしながら、皇室が外国との親善友好増進に努力することを願い、早期に天皇の外国訪問を再開したいとの趣旨の発言を行った。 その後、明仁天皇は90年に盧大統領が訪日した際、韓日間の過去の歴史問題について「わが国によってもたらされたこの不幸な時期に、貴国の人々が味わわれた苦しみを思い、私は痛惜の念を禁じ得ません」と言明。両国間で具体的な意見交換を行うなかで訪韓は実現するかに思われた。 しかし、その後韓国で過去の歴史の清算を求めて反対世論が高まったことに加え、日本では右傾化の流れが強まり、訪韓は見送られた。
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