教会周辺の消毒を行う城南市の関係者=15日、城南(聯合ニュース)
教会周辺の消毒を行う城南市の関係者=15日、城南(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国・ソウル近郊の京畿道城南市にあるプロテスタント系「恵みの川教会」で新型コロナウイルスの集団感染が発生したことにより、宗教集会を巡る論争が激しくなりそうだ。同教会は政府の度重なる自粛要請にもかかわらず礼拝を強行した。 保健当局と宗教関係者によると、この教会では先ごろ牧師夫婦と信者ら6人の感染が確認されたのに続いて新たに40人の感染者が発生し、同教会と関わりのある新型コロナウイルス感染者は計46人に増えた。 保健当局は1日と8日の日曜礼拝に出席した信者135人全員を対象に検査を行っており、今後も感染者が出る可能性が高い。 これに先立ち、政府の関係官庁のうち宗教業務を管轄する文化体育観光部は複数回にわたって礼拝など宗教集会の自粛を促してきた。 国内で新型コロナウイルスの感染拡大が本格化する前の1月29日には各宗教団体の代表に文書を送り、宗教行事に際して新型コロナウイルスの感染予防を行うよう協力を要請した。 2月27日からは朴良雨(パク・ヤンウ)文化体育観光部長官がプロテスタント系指導者らに会い、宗教施設での礼拝による感染拡大を懸念して自粛を呼び掛けた。 毎週日曜にミサを行っているカトリック系教会では2月25日から事実上全てのミサを中止したほか、仏教も同様に韓国最大の仏教宗派・大韓仏教曹渓宗の所属寺院が一般向けの法会を中止しており、政府の呼び掛けはプロテスタント系教会に向けたものといえる。  このような要請に応じるように、首都圏の大型教会を中心にオンラインでの礼拝に切り替えるケースが増加したが「恵みの川教会」はこのような動きに参加せず、教会での礼拝を強行した。 同教会は特定の教団に属さずに独自の活動を行っていたため、教団の指針や政府の礼拝自粛の勧告に対する縛りが比較的少なかったものとみられる。 南東部・大邱地域の信者を中心に集団感染が発生した新興宗教団体「新天地イエス教会」をはじめ、宗教活動が新型コロナウイルスの市中感染拡大の一因とされる中、プロテスタントに対する世論の非難が高まりそうだ。 神学書籍専門の出版社を営むキム・ヨハン牧師は、自身のフェイスブックで「いくら神を愛する熱意があっても、隣人と共同体に配慮する知識がなければ結局その愛が損害を与える」と指摘した。
Copyright 2020YONHAPNEWS. All rights reserved. 0