政府対策会議で発言する文大統領=23日、ソウル(聯合ニュース)
政府対策会議で発言する文大統領=23日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は23日、国内で肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染者が増加している状況を受け、感染症の危機警報を現在の「警戒」から最高レベルの「深刻」に引き上げる方針を明らかにした。 感染症の危機警報は低い順に「関心」「注意」「警戒」「深刻」と設定されている。政府は国内で感染が初めて確認された先月20日に「関心」から「注意」へ、1週間後にはその上の「警戒」に引き上げた。「深刻」への引き上げは、予想を上回る速度で感染が拡大し、危機感が高まっている状況を考慮した上での決定だ。 文大統領は政府ソウル庁舎で開かれた新型コロナウイルスに関する政府対策会議の冒頭、「新型コロナウイルスを巡る事態が分水嶺(れい)を迎えた。これから数日間が非常に重要な山場になる。政府、地方自治体、防疫当局、医療陣、ひいては全国民が一体となって全力で対応しなければならない重大なときだ」と述べた。 続けて、「政府が感染症の専門家の勧告に基づき危機警報を最高レベルの『深刻』に引き上げ、対応体系を大幅に強化していく」との方針を示した。 文大統領は、新興宗教団体「新天地イエス教会」の大邱市の教会で多くの感染者が出ていることに触れ、同教会での感染者発生前と発生後の状況は全く異なるとした上で、官庁を挙げての対応と政府・自治体の支援体系をさらに強化し、全力で対応すると説明した。 また、特別管理地域に指定された大邱市と慶尚北道・清道の早期安定化に向けて必要な全ての方策を講じるよう注文した。集団感染の発生場所となっている同教会の信徒に対する特段の措置を取っており、信徒のウイルス検査が終了段階に差し掛かれば感染拡大の勢いがかなり収まるとの見方を示した。 ほかの宗教団体や一般団体に対しても、国民に被害が及ぶような方式の集団行事や行為は屋内だけでなく屋外でも自粛するよう呼び掛けた。 文大統領は「国民が政府や自治体、医療陣の努力に賛同してこそ感染を効果的に防ぐことができる」と述べ、政府の措置を信頼し協力するよう訴えた。
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