チョ国氏(資料写真)=(聯合ニュース)
チョ国氏(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】先月末に娘の奨学金に絡む収賄罪などで在宅起訴され、今月半ばには職権乱用罪で追起訴された韓国のチョ国(チョ・グク)前法務部長官に対する裁判所の審理手続きが、今週から始まる。

 ソウル中央地裁は29日にチョ被告の事実上の初公判となる公判準備手続きを開く。公判準備手続きは正式な公判の前に裁判所が検察と弁護人の双方から立証計画を聞き取り、これに必要な証拠と証人を選ぶもので、被告の出廷義務はなく、チョ被告は法廷に姿を見せないとみられる。

 29日の公判準備手続きは、検察が先月末に収賄罪などで在宅起訴した家族に絡む事件に対する審理。ただ、検察は文在寅(ムン・ジェイン)大統領に近いとされる柳在洙(ユ・ジェス)釜山市前副市長に対する監察打ち切り問題に絡み、今月17日にチョ被告を職権乱用の罪で追起訴しており、これと併合して審理を行うかどうかも議論される可能性が高い。両事件ともソウル中央地裁の刑事合議21部に割り振られている。

 ソウル中央地検は先月31日、家族に絡む事件でチョ被告を在宅起訴した。チョ被告に適用された罪名は収賄、不正請託禁止法・公職者倫理法違反、業務妨害、私文書偽造など計11に上る。

 検察は、チョ被告の娘が2017年11月から18年10月にかけ、釜山大医学専門大学院から奨学金600万ウォン(約56万円)を受け取ったことについて、収賄と不正請託禁止法違反の罪を適用した。チョ被告が当時、青瓦台(大統領府)の民情首席秘書官を務めており、娘に奨学金を支給した教授が勤務していた病院の運営などに影響力を行使できる地位にいたと検察は判断した。

 チョ被告は、妻と共謀して息子と娘の不正入学に関与した罪にも問われている。また、妻が他人名義で株式投資を行っていたことに関し、公職者の直接投資を禁じる公職者倫理法違反罪などに問われた。

 一方、ソウル東部地検は今月17日、柳前副市長に対する監察打ち切り問題に絡み、高官らの不正を調べる立場の青瓦台民情首席秘書官を務めていたチョ被告が、柳氏に対する監察の過程で重大な不正の疑いを確認しながらも違法に監察中断を指示したとし、職権乱用罪でチョ被告を在宅起訴した。


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