北朝鮮の高麗航空を利用して平壌を訪問する観光客(資料写真)=(聯合ニュース)
北朝鮮の高麗航空を利用して平壌を訪問する観光客(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国政府が南北交流活性化の一環として推進している北朝鮮への個人旅行は、中国、欧州、米国など海外の旅行会社が韓国人対象の観光商品を販売し、韓国人がこれに参加する形になる可能性が最も高いとみられる。 韓国統一部が20日に出した参考資料によると、政府は現在▼離散家族、または社会団体の金剛山・開城地域訪問▼韓国人の第三国を通じた北朝鮮地域訪問▼外国人の南北連携観光の許可――の三つの形態での個人旅行を検討している。 統一部は、なかでも「第三国を通じた個人旅行」について「韓国国民が第三国の旅行会社を利用して平壌、楊徳、元山、葛麻、三池淵などの北側地域を観光目的で訪問すること」と説明した。 同部当局者は中国などの旅行会社が韓国人を50人あるいは100人集めて韓国政府に名簿を送れば、出国禁止対象者などをチェックしてから北朝鮮訪問を承認し、旅行会社が北朝鮮に行ってビザを受け取るのが最も現実的な方法との見方を示した。 このような個人旅行は欠格事由がなければ誰でも申請できる方向で推進される。 政府は旅行者の身辺の安全の保障、ビザによる北朝鮮訪問の許容など実務的な問題に対する検討作業にも着手した。     統一部側は旅行中の身辺の安全と関連し、「北の関係機関と第三国の旅行会社で意向書や契約書などを作る必要がある。その中に南側住民の訪朝にともなう身辺の安全問題に対するわが政府の最小限の何かが入らなければならないだろう」と話し、南北当局間の「包括的な身辺の安全保障」も必要であると強調した。  北朝鮮への個人旅行が対北朝鮮制裁に抵触する可能性があるとの指摘に対する解決策の用意も急いでいる。  政府は「観光目的で訪朝する際に所持する個人の携行品は、基本的には制裁対象と見るのは難しい」としながらも、国連による制裁などを巡って問題が発生しないようノートパソコン、携帯電話、カメラなどの持ち込みについてはガイドラインを作成する方針だ。 旅行客が北朝鮮で使用する宿泊費や食費などの費用に関しても「現地で実費として支給する」として、対北朝鮮制裁で禁じている大量の現金移転には該当しない考えを示した。 韓国人の北朝鮮旅行は、離散家族と社会団体から始め、条件が整えばそれ以外の人たちにも拡大するものとみられる。 統一部当局者は、北朝鮮への個人旅行を承認する背景として、▼国民の基本的な権利▼離散家族による故郷訪問の緊急性▼社会団体の要望▼新たな観光需要の創出――などの問題を総合的に考慮して推進されるものと強調した。
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