北朝鮮の高麗航空機に搭乗した韓国人の観光団=(資料写真)
北朝鮮の高麗航空機に搭乗した韓国人の観光団=(資料写真)
【ソウル聯合ニュース】韓国政府が北朝鮮への個人旅行や「ビザ取得による訪朝」許可の可能性を示唆しており、その背景と実現可能性が注目されている。ビザ取得による訪朝は北朝鮮当局からの招待状がなくても、ビザさえ取得すれば、訪朝を承認するもの。韓国人の訪朝手続きが大幅に簡素化することになる。そのため、一部からは北朝鮮への個人旅行の全面自由化を念頭に置いたものとの見方も出ている。

 政府当局者によると、北朝鮮問題などを総括する統一部は現在、南北交流・協力の活性化事業の一環として、北朝鮮当局が発給したビザさえあれば、韓国人が中国など第三国から北朝鮮入りし、個人旅行できるようにする案を検討している。

 韓国人が第三国から北朝鮮入りし、個人旅行したケースはまだない。しかし、これまでは北朝鮮当局からの招待状とビザがなければ承認しなかったため、今後は訪朝承認の「ハードル」を下げるという趣旨と受け止められる。

 政府関係者は「(例えば)海外にいる韓国国民が北当局から観光ビザの発給を受け、(電話などで)統一部に連絡すれば、訪朝を承認することがあり得る。ただ、これまでのように関係機関を通じた身元確認などは依然必要だろう」と話した。

 ビザ取得による訪朝はとりあえず、朝鮮戦争などで生き別れになった離散家族など小規模の個人旅行を対象にしている。現在、第三国を通じた「離散家族の故郷訪問」などが最優先の推進事業として検討されている。

 さらに注目すべきは、政府がこうした小規模の個人旅行を、今後北朝鮮旅行の全面自由化に拡大する可能性を示唆していることだ。

 政府高官は「多くの国が個人旅行を認めているが、わが国民はまだできない。自ら制限しているのではないかという問題意識から出発した」と説明した。北朝鮮旅行を南北関係の特殊な側面からアプローチしてきたことから抜け出す必要があるとの意味と受け止められる。

 ただ、北朝鮮がこれに応じるかどうかという問題のほか、韓国国民の安全を保障できる実効性のある措置を見つけることも必要だ。さらに、対北制裁での連携を強調する米国など、国際社会を説得する作業も課題として残る。

 


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