総会を進行する金委員長。朝鮮中央通信は29日に党の中央委員会総会2日目が開催されたと報じた=(朝鮮中央通信=聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
総会を進行する金委員長。朝鮮中央通信は29日に党の中央委員会総会2日目が開催されたと報じた=(朝鮮中央通信=聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮で28、29日に朝鮮労働党の中央委員会総会が開催され、2日間とも金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(党委員長)が自ら進行した。北朝鮮メディアが公開した写真を見ると、金委員長は表情を緩ませることなく、時に熱弁を振るったようだ。 金委員長は総会初日に黒い人民服、2日目は白のジャケットを着用した。べっ甲柄の眼鏡をかけ、檀上でいくつものマイクを前にする姿は、祖父である金日成(キム・イルソン)主席の生前の姿を思い起こさせる。 年初に「新年の辞」を発表した際は、例年とは異なり、スーツ姿で執務室のソファーに腰かけていた。「普通の国」のリーダー、あるいは自然さを演出し始めたという見方もあった。 ところが2月末の米国との2回目首脳会談が物別れに終わった後、4月の最高人民会議(国会に相当)では檀上から内外向けメッセージを打ち出す施政演説を行った。以前のように「祖父の統治スタイル」をまねたという印象だった。 今回の党中央委員会総会も同様だ。金委員長は2日間とも一貫して硬い表情で、初日には指を立てて何やら強調するような仕草も見せた。 自身が意欲的に進めてきた米国との交渉は、首脳会談が成果なく終わって以降、行き詰まったままだ。国際社会による北朝鮮制裁が長引く可能性もある。米朝関係は対立していた2017年以前の状態に戻りかねない。こうした状況の中、金委員長はいつにも増して内部の結束を重視しているとみられる。 北朝鮮メディアは総会が続くと伝えた。2日以上開催されるのは、金日成主席時代以来だ。また、総会の規模の大きさも目を引く。通常の総会の出席者は200人程度だが、今回の写真を見るとざっと1000人ほどが出席しているようだ。誰もが熱心に書き留めている様子だった。 異例ともいえる今回の総会は、北朝鮮が置かれた情勢の厳しさをうかがわせる。総会を機に対内外事業全般の再整備に踏み切りたい考えのようだ。 北朝鮮は米国が年末までに譲歩しなければ「新たな道」に進むと警告していた。総会がこれを採択するための場になるとの見方もある。また、形式的な過程ながらも総会の結果は党の総意として、金委員長が2020年1月1日に発表する新年の辞に具体的に反映される見通しだ。
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