エスパー米国防長官(コラージュ)=(聯合ニュースTV)
エスパー米国防長官(コラージュ)=(聯合ニュースTV)
【ワシントン、ソウル聯合ニュース】エスパー米国防長官は19日、再び韓国を「裕福な国」としながら、在韓米軍駐留経費の韓国側負担の増額を求めた。経費の負担割合を決める韓米交渉が決裂した場合の在韓米軍縮小の可能性に対しては明言を避けた。数日前は同様の質問に「今は考えていない」と答えていた。

 韓国と米国は2020年の在韓米軍の駐留経費負担を取り決める協定の締結に向けて3回目の協議を18~19日にソウルで行ったが、19日の協議は開始から80分で終了した。双方の立場の隔たりを全く埋められず、次回の協議日程も決めることなく物別れに終わった。

 一方、米国防総省のウェブサイトによると、フィリピンを訪問したエスパー氏は19日に同国との国防相会談の後、記者会見を行った。その際、在韓米軍駐留経費を巡る韓米交渉が年内に合意に達しない場合に在韓米軍の縮小も考慮するかという質問があったとされる。

 海外メディアによると、この問いにエスパー氏は「SMA(駐留経費負担に関する特別協定)について、われわれがするかしないかも分からないことに私は予測や推測をしない」と答えた。別のメディアは、韓国と合意できなかった場合に在韓米軍を撤退する意向があるかとの質問にエスパー氏は国務省が交渉を主導すると述べ、米国の次の行動に関しては返答を拒んだと伝えた。

 同氏は「われわれは韓国のパートナーと共に緊密に協力しながら、一歩ずつ歩んでいる」と述べる一方で、「私が数日前に言ったように韓国は豊かな国だ。もっと大きな寄与ができるし、寄与すべきだ」と指摘した。

 エスパー氏は15日の韓米定例安保協議(SCM)に出席するため訪韓した際も、韓国を「富裕国」としながら在韓米軍駐留経費の負担を増やす必要があると言及した。19日の発言も韓国に負担増を迫ったといえるが、在韓米軍の縮小や撤退の可能性に関する質問への答えだったという点が関心を集める。経費負担を巡る韓米交渉の行方次第では、駐留問題と絡めて圧力を加える戦略を取り得ることをほのめかしたとも受け取ることができるためだ。

 エスパー氏は訪韓前の13日、軍の規模や軍事訓練の縮小などの調整の必要がないかと問われ、「今は考えていない」と答えた。15日に発表されたSCM共同声明でも、「エスパー長官は現在の安全保障状況を反映して在韓米軍の現水準を維持し、戦闘準備態勢向上させるという公約を再確認した」との説明があった。


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