北朝鮮は韓国側に、所定の期日までに金剛山の施設を撤去するよう通知した(コラージュ)=(聯合ニュース)
北朝鮮は韓国側に、所定の期日までに金剛山の施設を撤去するよう通知した(コラージュ)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国と北朝鮮による経済協力事業の金剛山観光問題巡り北朝鮮が韓国側施設の撤去を求めている問題で、朝鮮中央通信は15日、「われわれは11日、南朝鮮(韓国)当局がつまらない主張に執着し続けるなら施設撤去を放棄したと見なして一方的に撤去を断行する断固たる措置を取るとの最後通牒(つうちょう)を送った」と伝えた。これに対し韓国からは全く反応がないという。

 中央通信は「今さら両手をすり合わせようとどうにかなるものか」と皮肉った。北朝鮮は金剛山を北朝鮮式に世界的な文化観光地として開発していくとしながら、「ここに南朝鮮が割り込む場所はない」と強調した。

 同通信は、韓国当局が米国を恐れてここ10年、金剛山観光施設を放置しておきながら、撤去要求に大慌てして金剛山の片隅にでも置かせてほしい、観光再開にも加えてほしいと頼み込んでいるとし、「哀れというべきか、鉄面皮というべきか」とあげつらった。

 さらに「いつまでも通知文だけやり取りしながら無為に時間を過ごしてばかりはいられない。古いものが場所を譲ってこそ新しいものができると」と主張。韓国側に繰り返し通知した理由について「金剛山観光地区をわが人民の志向と求めに沿って、名山の美にふさわしく新たに開発する上で、既存の古い施設をまず処理することが最初の工程になるため」と強調した。それにもかかわらず、韓国当局が要求に応じようとしないと非難した。

 中央通信によると、北朝鮮の当該機関は10月25日に韓国統一部と金剛山観光事業を手がけていた現代峨山に対し文書交換による協議を求めたが、韓国側は「創意ある解決策」と「実務会談」を提案した。北朝鮮は同月29日と11月6日にも北朝鮮側の意思を重ねて伝えた。さらに「われわれの正当な要求に応じず、国家的な観光地区開発計画の推進に障害をもたらすなら、やむなく断固たる措置が取られるだろうと通告した」という。

 同通信は「新たな金剛山観光文化地区の開発問題は南朝鮮当局が関与するものでなく、すでに資格を失っている」「世界第一の名山は北と南の共有物でなく、和解協力の象徴的な場所でもない」などと強調した。

 北朝鮮の判断で韓国側施設を処理することもできたが、これまでの関係を考慮して自ら撤去できるよう最後の情けをかけたことを知るべきだとした上で、「南朝鮮当局はこれさえも逃すなら、もう訴える先すらないということを肝に銘じ、即座にわれわれの要求に従うべきだ」と迫った。


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