ソルリさんの死を機にネット実名制の再導入を求める声が高まっている(コラージュ)=(聯合ニュースTV)
ソルリさんの死を機にネット実名制の再導入を求める声が高まっている(コラージュ)=(聯合ニュースTV)
【ソウル聯合ニュース】韓国のガールズグループf(x)(エフエックス)の元メンバーで歌手兼俳優のソルリさん(享年25)の死をきっかけに、インターネット上の悪質な書き込みに対する批判の声が高まる中、ネット上への書き込みに実名登録を必要とする「インターネット実名制」の導入を求める動きが再び起きている。 インターネット実名制は2007年に関連法が制定され実施されたものの憲法裁判所の違憲判断により廃止された経緯がある。今回の世論の高まりを背景に再導入への流れが起こるか注目される。 韓国の世論調査会社、リアルメーターが16日に発表した調査結果によると、アンケート回答者(19歳以上の成人502人)の69.5%が実名制の導入に賛成した。地域、年齢、支持政党などを問わず賛成が多かったという。 青瓦台(大統領府)ホームページの国民請願掲示板でも、ソルリさんの死をきっかけに、実名制の再導入を求める投稿が増えている。 韓国では悪意のある書き込みなどによる社会的な弊害を防止することを目的に、07年に同制度が導入された。だが導入前から「表現の自由」を侵害するとの指摘が絶えなかったことに加え、フェイスブックやツイッターなど海外のSNS(交流サイト)に適用する方法がないなど実効性が疑問視され、導入から5年後の2012年8月に憲法裁判所は判事8人が全員一致で違憲と判断。廃止に至った。 廃止後も、悪質な書き込みの弊害が問題視されるたびに、制度の再導入が議論されている。しかし、憲法裁が一度、違憲と判断したことに加え、制度に反対する声も強く、再導入は容易ではないとみられる。 法曹界関係者は「インターネット実名制は表現の自由の侵害と違憲判断を受けただけでなく、実際に悪質な書き込みの減少につながったという意味のある証拠がない」とし、「根本的な解決のためには公的規制より、メディア情報を読みとく能力を教える『メディアリテラシー教育』の強化など、自浄的な解決策を模索する必要がある」と話した。 ソルリさんは14日、ソウル近郊・城南市内の住宅で亡くなっているのをマネジャーが見つけ通報した。警察は自殺を図った可能性があるとみて調べている。ソルリさんは2014年、悪質な書き込みなどによる苦痛を訴え、芸能活動を一時中断。翌15年に演技活動に集中するとし、f(x)を脱退した。最近は芸能番組の司会も務めた。
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