新型の潜水艦発射弾道ミサイル「北極星3型」の試射に成功したと、朝鮮中央通信が伝えた=(朝鮮中央通信=聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
新型の潜水艦発射弾道ミサイル「北極星3型」の試射に成功したと、朝鮮中央通信が伝えた=(朝鮮中央通信=聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の朝鮮中央通信は3日、2日に新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「北極星3型」の発射実験に成功したと報じた。2017年にその存在を明らかにした北極星3型の試射を行うのは初めて。米国との非核化交渉再開を前に、新型兵器を公開して防衛力を誇示し、米国に揺さぶりをかける狙いとみられる。

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 中央通信は北極星3型が東部の元山湾水域から「高角発射方式」で発射されたとしながら、「新たに設計された弾道弾の核心戦術の技術的な指標が科学技術的に拡充された」と伝えた。周辺国の安全には否定的な影響を少しも与えなかったと強調した。また、発射実験の成功を「朝鮮民主主義人民共和国に対する外部勢力の脅威を抑制し、国の自衛的な軍事力をより一層強化する上で新たな局面を開拓した重大な成果」と主張した。

 北朝鮮は2日午前7時11分ごろ、江原道・元山の北東17キロの海上から東に向けて弾道ミサイル1発を発射した。韓国軍の探知では、最高高度が約910キロ、飛距離が約450キロだった。

 北朝鮮が「高角発射方式」と言及したことから、角度をつけて高く打ち上げる「ロフテッド軌道」だったことが分かった。通常の角度で発射すれば飛距離はさらに伸びると分析される。

 北朝鮮は17年8月に金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)が国防科学院化学材料研究所を視察したニュースを伝えた際、「水中戦略弾道弾 北極星3」と記されたミサイルの構造図を映し出した。それから2年余りを経て試射に成功したことになる。

 16年8月に試射に成功した「北極星1型」、地上発射型に改造して17年2月に発射した「北極星2型」に比べると、北極星3型は飛距離などの技術力が一層向上したと推定される。韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防部長官は、北極星1型と2型の飛距離をそれぞれ約1300キロと述べている。

 北朝鮮はこの日、北極星3型が水中から発射される場面をとらえた写真を複数公開した。このうち1枚には、ミサイル発射位置のすぐ横に船が映っている。水中発射試験台として使われるはしけ船をけん引してきた船とみられる。既存の2000トン級潜水艦や今年7月に公開した新型潜水艦ではなく、水中発射台から発射した可能性が高い。

 韓国のシンクタンク、韓国国防安保フォーラムのシン・ジョンウ分析官は「北極星3型は1型、2型とは完全に異なり、飛距離は最長5000キロと推定される」と述べ、「中国、ロシア、米国が運用するSLBM並み」との見解を示した。

 一方、金委員長は発射実験には立ち会わなかったとみられる。中央通信は金委員長が視察したかどうかには言及せず、「金正恩同志は朝鮮労働党中央委員会を代表して、試験発射に参加した国防科学研究幹部らに熱烈な祝賀を送られた」と伝えた。 

 北朝鮮はこれまで、金委員長が軍事兵器の実験などに立ち会えば大々的に伝えてきた。だが、この日公開された写真に金委員長の姿はなかった。

 金委員長が新型兵器の発射現場を視察しなかったとすれば異例だ。非核化を巡り米国と4日に予備接触、5日に実務協議を控えていることから、米国を刺激する度合いを調節したのではないかとの分析もある。この日の報道でも米国と韓国に直接言及しなかった。


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