家宅捜索に入った検察関係者=23日、ソウル(聯合ニュース)
家宅捜索に入った検察関係者=23日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国のチョ国(チョ・グク)法務部長官を巡る疑惑を捜査している韓国検察が23日、チョ氏の自宅を家宅捜索した。先月末の捜査着手後、チョ氏と妻のチョン・ギョンシム東洋大教授、その子どもが強制捜査の対象になるのは初めて。  検察はこれまでチョ氏の周辺人物の自宅などを家宅捜索したが、チョ氏本人については法務長官任命前の人事聴聞会の準備、就任などがあったため、家宅捜索の対象から外していた。 この日の捜索の具体的な狙いは確認されていない。だが検察内外では、私募ファンド疑惑に絡む公職者倫理法違反や、娘がチョ氏が教授を務めるソウル大の法学部関係施設でインターン活動をしたとする証明書の虚偽発行、証拠隠滅ほう助など、同氏自身がかかわる犯罪の疑いに対し検察が直接捜査に乗り出したとの見方が出ている。 ソウル中央地検は23日午前9時ごろ、ソウル市瑞草区内にあるチョ氏の自宅に検事と捜査官を派遣した。パソコンのハードディスクや業務関連の記録などを押収するとみられる。 検察はすでに、チョ氏と妻のチョン氏の資産管理を任されている証券会社社員からチョ氏宅で使っていたパソコンのハードディスクの任意提出を受けているが、チョ氏宅には交換していないハードディスクがあるようだ。検察の捜査が始まると、チョン氏がこの資産管理人にハードディスクの交換を頼み、交換作業をする資産管理人にチョ氏が「妻を手伝ってくれてありがたい」という趣旨の言葉をかけたとの証言も確保した。 検察はチョン氏の証拠隠滅教唆の疑いを調べる一方、チョ氏が証拠隠滅・隠匿をほう助した可能性も排除できないとみて、資産管理人を相手に事実関係の確認を進めている。 一方、任意提出されたハードディスクを分析したところ、チョ氏の娘と、高校時代の留学クラスの同級生だった檀国大教授の息子のインターン活動証明書らしきファイルが見つかった。2人は2009年にソウル大法学部の公益人権法センターでインターン活動証明書を受け取ったとするが、当時のセンター関係者らは同証明書を発行したことはないと証言した。檀国大教授の息子によると、ソウル大主催のセミナーに1日出席しただけだったという。検察はチョ氏の娘のインターン活動がここでも内容が誇張された可能性があるとみて、事実関係を調べている。 さらに、チョ氏の息子に関しても、ソウル大の公益人権法センターのインターン活動証明書が虚偽発行されたかどうかを確認中だ。 これら証明書の発行にチョ氏がかかわっていた場合、虚偽公文書作成容疑の適用が考え得る。ソウル大法学専門大学院教授(現在は休職)のチョ氏は娘がインターン活動をしたという09年5月に国際学会で座長を務め、その後、公益人権法センター長に就いた。
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