18年9月の平壌での首脳会談で握手を交わす南北首脳=(聯合ニュース)
18年9月の平壌での首脳会談で握手を交わす南北首脳=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国国防部は18日、2018年9月19日の署名から1年を迎える北朝鮮との南北軍事合意の履行状況や成果をまとめた資料を公表し、軍事合意の締結以降、前線地域で北朝鮮無人機による偵察・監視活動は捉えられていないと明らかにした。 資料によると、北朝鮮軍は以前、軍事境界線から5キロ以内のエリアで多くの砲兵射撃訓練や野外機動訓練を行っていたが、軍事合意以降はこれを全く実施していない。艦砲・海岸砲の砲撃訓練や海上機動訓練も全面的に中断した。 国防部は「南北軍事当局はこの1年、合意に明記された事案別の合意事項を忠実に履行してきた」とした。また、「軍事合意の締結以降、境界地域で軍事的緊張を高める行為は1件も確認されなかった」とし、合意は「軍事的な緊張緩和と信頼醸成に実質的に寄与することで、朝鮮半島における戦争リスクを解消する契機をつくった」と評価した。 軍事的な緊張緩和に向け、北朝鮮・平壌での南北首脳会談に合わせて締結された軍事合意には▼地上・海上・空中での敵対行為の中止▼南北軍事境界線がある板門店の共同警備区域(JSA)の非武装化▼軍事境界線を挟む非武装地帯(DMZ)内の一部監視所の試験的な撤去▼朝鮮戦争戦没者の遺骨の南北共同発掘――などが盛り込まれた。 国防部によると、JSAの非武装化措置を取り、5月に見学を再開して以降、約380回にわたり計1万8800人ほどの韓国人・外国人がJSA韓国側エリアを訪問した。DMZ内の一部監視所の撤去を機に造成された「DMZ平和の道」は約1万3700人が訪れた。 朝鮮戦争の激戦地だったDMZの「矢じり高地」(江原道・鉄原)一帯での南北共同遺骨発掘に関し、同部は「軍事境界線の南側地域で地雷除去や基礎発掘作業を実施し、これまでに約1600点の遺骨と約4万3000点の遺品を発掘した」と説明した。 国防部はこのように評価しているが、北朝鮮は2月の米朝首脳会談が物別れに終わって以降は南北関係に消極的な態度に転じ、軍事合意の履行は事実上、足踏み状態が続いているとの指摘も聞かれる。 軍事合意に基づき南北共同で実施予定だった矢じり高地での遺骨発掘やJSAの南北両エリアの自由往来に、北朝鮮は応じていない。北朝鮮は5月以降、再び短距離弾道ミサイルの試射を行っており、軍事合意の趣旨に違反したとの批判もある。 軍事合意の履行状況の点検などを担う「南北軍事共同委員会」は、南北が発足に合意したものの、まだ一度も開かれてない。
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