除隊するハ氏(資料写真)=(聯合ニュース)
除隊するハ氏(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の国家報勲処が先月、2015年に北朝鮮と接する非武装地帯(DMZ)の韓国側で捜索作戦中、北朝鮮軍が埋めた地雷が爆発して両足を失ったハ・ジェホン下士官(当時)について、「戦傷」ではなく「公傷」の判定を下したことが明らかになり、論争が巻き起こっている。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は17日、「関連法の条文を弾力的に解釈する余地がないのか調べてほしい」と述べ、事実上の再検討を指示した。世論が悪化する場合、「報勲(功勲に報いること)重視」を掲げる文政権への批判につながる懸念もあると判断したようだ。

 戦傷は敵との交戦や武装暴動などを鎮圧するための行為、戦闘、これに準じる職務遂行中に負ったけがを、公傷は訓練やその他の公務、国民の生命・財産の保護と直接関連がある職務遂行中に負ったけがを意味する。

 ハ氏は負傷後、国軍医務司令部で勤務していたが、今年1月、ボート選手としてパラリンピック出場を目指すとして除隊した。

 陸軍はハ氏が除隊した際、戦傷の判定を下したが、国家報勲処は判定を覆し公傷とした。これまで地雷事故については公傷と判定してきたようだ。

 ハ氏は今月17日に青瓦台(大統領府)のホームページに「私の名誉を守ってください」として戦傷と認めるよう訴える請願を投稿。国家報勲処には異議を申し立てた。

 国家報勲処は10年に起きた北朝鮮による韓国海軍哨戒艦「天安」撃沈事件時に負傷した兵士らは戦傷と判定している。ハ氏の地雷埋設事件も北朝鮮の挑発と見なされているため、軍などでは公平性に欠けるとの指摘が出ている。


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