日本は7月4日、半導体・ディスプレー材料3品目の対韓輸出規制の強化に踏み切った(コラージュ)=(聯合ニュース)
日本は7月4日、半導体・ディスプレー材料3品目の対韓輸出規制の強化に踏み切った(コラージュ)=(聯合ニュース)
【ソウル、東京聯合ニュース】日本が半導体材料の高純度フッ化水素の韓国向け輸出1件を許可したことが29日、分かった。日本は7月4日から、半導体・ディスプレー材料であるフッ化水素とレジスト(感光材、フォトレジスト)、フッ化ポリイミドの3品目の韓国向け輸出を最長で90日かかる個別許可審査の対象とした。こうした規制強化後に韓国への輸出を認めたのはレジストの2件だけで、フッ化水素の許可は今回が初となる。

 韓国産業通商資源部の当局者は29日、「きょう日本がフッ化水素の輸出1件を許可したことを(半導体)業界で確認した」と伝えた。

 日本企業が韓国向け輸出許可を申請したのは先月4日前後で、輸出先はサムスン電子とされる。正確な輸出量や純度などはまだ確認できていない。

 フッ化水素はレジストと同じく半導体製造に欠かせない材料だ。回路を焼き付ける工程で不要な部分を除去するために用いられる。そのため韓国半導体大手のサムスン電子とSKハイニックスはフッ化水素とレジストの確保に奔走してきた。

 一方、日本政府は事実関係の確認に応じていない。経済産業省の関係者は聯合ニュースの取材に対し、そうした事実を発表しておらず、基本的に個別の企業に関連した情報を公表することもしていないと述べた。

 ただ今回、フッ化水素の輸出が許可されたといって、日本が輸出規制の姿勢を翻したわけではないというのが大方の見方だ。韓国政府の当局者は「1件許可したからと、一喜一憂することではない。韓国政府の立場は、輸出規制を無条件に撤回せよということ」と冷静に語った。

 別の関係者も「日本のメディアは、日本が輸出規制のために世界貿易機関(WTO)に提訴された場合、輸出許可を出さなかったことで不利になり得るという点を取り上げていた」とし、こうしたケースを念頭に置いた措置であり、基本的な姿勢には変わりがないとの見方を示した。

 輸出の禁止でなく、あくまで正常な輸出規制と強調する狙いがあると考え得る。あるいは韓国との対話や交渉の余地を少しずつ広げながら交渉で優位に立つ思惑ともみられる。

 一方、日本は輸出規制を強化した3品目のうち、レジストの輸出を8月7日と19日にそれぞれ1件認めている。これで規制強化後に輸出許可が出ていないのは、スマートフォンの画面などに使うフッ化ポリイミドだけとなった。


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