6月30日、板門店を訪れた金正恩氏に随行した北朝鮮幹部。右端の赤い丸で囲んだ人物がチャン・グムチョル氏とみられる=(聯合ニュース)
6月30日、板門店を訪れた金正恩氏に随行した北朝鮮幹部。右端の赤い丸で囲んだ人物がチャン・グムチョル氏とみられる=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の情報機関、国家情報院(国情院)の徐薫(ソ・フン)院長が4月に、対米・対韓業務を担当する北朝鮮のチャン・グムチョル統一戦線部長と会っていたことが13日、分かった。2月末の米朝首脳会談が物別れに終わった後、統一戦線部長は前任の金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長からチャン氏に交代している。

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 韓国政府高官によると、徐氏は4月半ばに南北軍事境界線がある板門店でチャン氏と会った。米朝首脳会談後に北朝鮮の対米・対韓担当が再編されたことを受けた顔合わせが主な目的だったようだ。

 2000年の南北首脳会談後、国情院は統一戦線部と非公開の連絡チャンネルを運用しており、昨年3回行われた南北首脳会談の実現にも重要な役割を果たした。

 徐氏はチャン氏との会合で、非核化を巡る米朝間の実務交渉を早期に再開すべきと促しながら、そのために必要なことをする用意があるとの立場を伝えたとされる。2月末の米朝首脳会談で合意が導き出されなかったことに対する北朝鮮の立場も聞き取り、そのような状況で南北関係の改善が一層必要という趣旨の話もした。

 ただ、次回の南北首脳会談開催に関するやり取りはなかったようだ。この韓国政府高官は「(徐氏とチャン氏が会った時には)すでに金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)が最高人民会議(国会に相当)で施政演説した後でもあり、北の基本的な路線は認識しており、首脳会談開催を話し合える状況ではなかった」と説明した。こうした南北の接触状況と内容は、韓米間でも共有されたという。

 北朝鮮メディアが初めてチャン氏に言及したのは、4月10日に開催された党中央委員会総会の結果を伝える報道で、党の部長に新たに任命されたという内容だった。同月24日、国情院が国会情報委員会に対し、統一戦線部長が金英哲氏からチャン氏に交代したと報告したことで、チャン氏の具体的な役職が分かった。

 チャン氏は韓国側に顔をほぼ知られていなかった。6月30日に板門店で南北と米の首脳が顔をそろえた際に金委員長に随行し、外部にその姿が初めて確認された。


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