雨水ポンプ場内の地下排水トンネルの工事現場の作業員3人が、突然の豪雨によって自動で開いた水門からあふれた水に巻き込まれる事故が起きた。(提供:news1)
雨水ポンプ場内の地下排水トンネルの工事現場の作業員3人が、突然の豪雨によって自動で開いた水門からあふれた水に巻き込まれる事故が起きた。(提供:news1)
雨水ポンプ場内の地下排水トンネルの工事現場の作業員3人が、突然の豪雨によって自動で開いた水門からあふれた水に巻き込まれる事故が起きた。

 事故に遭った作業員は31日、豪雨が予報されていたにもかかわらず自動開閉システムが設計よりも低い推移で開くよう設定されたいたことを知らなかったことが分かった。安全ヘルメット以外には危機に対応できる安全装置もなかった。今回の事故も慢性的な“安全不感症”による人災だという指摘が出ている。

 ソウル・陽川(ヤンチョン)消防署によると、この日午前8時24分頃、ソウル市内の雨水底流排水施設の工事現場で作業員3人が孤立したと通報を受けた。

 通報を受けて出動した消防隊員が救助作業を開始し、協力業者作業員の65歳男性は午前10時頃に発見されて病院に搬送されたが、11時2分に死亡。また現代建設の29歳男性と協力業者の23歳男性はまだ救助されていない。

 事故現場はソウル市南西部の陽川区にある雨水底流排水施設の拡充工事現場で、6月末までに工事を終えて7月から試運転をおこなっていた。正式な竣工は来年1月に予定されており、施工業者は現代建設、発注者はソウル市都市基盤本部だ。

 31日午前7時10分頃、協力業者の23歳男性が施設点検のためにポンプ場雨水底流施設のトンネル内に下りて行った。施設点検は毎朝1回ずつ日常的におこなわれてきており、通常30~40分の時間がかかることが確認された。

 現代建設の関係者は「午前7時の予報を確認した時、仁川(インチョン)や江原道(カンウォンド)、京畿道(キョンギド)にのみ豪雨注意報が出ており、作業員が作業を始めた7時10分まで現場には雨が降っていなかった」と説明。

 しかし7時30分にソウル市内に豪雨注意報が出るほど多くの雨が降り、予想できなかった状況となった。排水トンネルの入り口や中間に連結された垂直口2か所が開き、雨水が押し寄せた。

 そこは設計上、雨水が70%以上入ると自動で開くようになっている。しかし試運転中は毎日その数値に変化を与えて稼働試験をおこない、この日は50%になったら開くように設定されたと伝えられている。この数値はソウル市と陽川区庁、現代建設の関係者が全て含まれたカカオトークのグループトークルームに共有されていたことが分かった。

 しかし作業員はこの事実を全く知らずに中に入り事故に遭った。現代建設の関係者は「発注者からもきちんと稼働しているのか確認するために毎日調整してきたようだ」とし、「たぶん作業をしに入った人は70%になったら開くと思って入った可能性が高い」と説明した。

 雨水ポンプ場を管轄する陽川区庁側は、午前7時38分頃、現代建設側に電話をして水門が開く臨海水位に到達したと伝えた。現代建設側が現場にこれを伝えたが、電話が来てから2分で水門が自動開放された。

 陽川区庁はトンネル内に作業員がいること自体を全く知らなかった。関係者は「作業員が入ったことを現代建設側から聞いていない。これを先に離してくれたら、防ぐこともできたはず」とし、「現代建設と作業員の契約関係ではなく、特にどのような作業をするのかなどについて共有していなかった」と述べた。

 現代建設側が突然水門の制御室に移動したが、それに対する権限もない上、門も閉まっており、方法がなかった。これによって午前7時50分頃、現代建設の29歳男性が23歳男性を救出するために内部に入ったのだ。

 すでに水門が解放された状態で、他の作業員が入ったことについて現代建設は「4日前、最後に水門を開放し、試運転をする時に流入水が到達する時間が49分ほどだったため、十分に出てこられると思った」と述べた。しかしこの日の流入水が作業員を襲うのにかかった時間はわずか23分で、さらに被害者を出してしまった。

 事故現場には万一の状況に備えた安全施設などもなかったことが分かった。事故にあった作業員3人は安全ヘルメット以外の安全装置はなく、トンネル内に雨水をよけられる空間やライフジャケット、浮き輪なども設置されていなかった。また水門が開いた場合、作業員が分かるような警報などの装置もなかった。

 陽川区関係者は「施行する現代建設やソウル市など全てが問題点については今後修正して事故を防げるようにするべきだ」と述べた。

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