6月21日、三菱重工業の本社前で同社側に渡す交渉要請書を見せる原告代理人ら=(聯合ニュース)
6月21日、三菱重工業の本社前で同社側に渡す交渉要請書を見せる原告代理人ら=(聯合ニュース)
【光州聯合ニュース】韓国大法院(最高裁)が三菱重工業に韓国人の強制徴用被害者や元朝鮮女子勤労挺身隊員らへの賠償を命じた判決を巡り、原告らが「協議を通じた包括的な問題解決を望む」として送った交渉要請書について、回答期限とした15日までに同社が回答しなかったことが16日、分かった。市民団体「勤労挺身隊ハルモニ(おばあさん)とともにする市民の集まり」が明らかにした。

 同団体は「長期間続いた訴訟で敗訴した当事者にもかかわらず、三菱重工業は日本政府の後ろに隠れ、われわれの要求を黙殺した」として、「韓日関係の発展のため、対話を通じた合理的な方法を探ろうとした努力が実現せず、深く遺憾に思う」との立場を示した。

 また、原告らが高齢のため、「法が定めた手続きをこれ以上遅らせることはできない」と強調。「判決確定後、半年以上にわたり協議を要請し(強制)執行を遅らせたが、最後の期限まで最低限の遺憾の表明もしなかった」として、「近いうちに三菱重工業の(韓国内)資産の売却命令を申請する」との方針を明らかにした。

 韓国大法院は昨年11月、徴用被害者ら5人が三菱重工業に損害賠償を求めた訴訟で、1人当たり1億~1億5000万ウォン(約910万円~1400万円)の慰謝料を支払うよう命じるなど、2件の徴用関連訴訟で原告勝訴の判決を言い渡した。

 だが、三菱重工業が判決の履行を拒否し、原告らは同社の韓国内の商標権2件と特許権6件を差し押さえた。差し押さえた資産を売却する手続きに先立ち、同社に3回にわたって協議を求めていた。


Copyright 2019(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0