サムスン電子=(聯合ニュースTV)
サムスン電子=(聯合ニュースTV)
【ソウル聯合ニュース】韓国のサムスン電子が5日発表した2019年4~6月期の連結決算(速報値)によると、本業のもうけを示す営業利益は6兆5000億ウォン(約6000億円)で、前年同期比56.3%急減した。ただ、ディスプレー事業で発生した一過性の収益が影響し、前期比では4.3%増加した。前期比での増加は3四半期ぶり。売上高は56兆ウォンで、前年同期比4.2%減、前期比では6.9%増加した。

 半導体メモリーの世界市況の下落局面が予想より長引いている上、他の事業も画期的な回復の転機をつかめずにいることから、2四半期連続で6兆ウォン台の営業利益となった。当面は、かつてのような四半期で10兆ウォンを超える利益計上は厳しいとの見方が優勢だ。

 サムスン電子は17年4~6月期から18年10~12月期にかけ、7四半期連続で10兆ウォン以上の営業利益を計上した。19年4~6月期の営業利益は過去最高を記録した18年7~9月期(17兆5700億ウォン)に比べると3分の1水準だ。

 営業利益の売上高に対する割合を示す営業利益率は11.6%で、前期(11.9%)よりさらに落ち込み、16年7~9月期(10.9%)以来の低水準となった。

 サムスン電子の19年上半期(1~6月)の営業利益は12兆7300億ウォンで、前年同期比58.3%減少した。

 19年4~6月期の事業部門別の業績は追って発表されるが、主力である半導体事業の営業利益は3兆ウォン台前半にとどまったとみられる。過去最高だった18年7~9月期(13兆6500億ウォン)に大きく及ばないのはもちろん、前期(4兆1200億ウォン)よりも少なかったようだ。

 半導体と共にデバイス・ソリューション(DS)部門を構成するディスプレー事業は、一過性収益に助けられ前期の赤字を脱した可能性が高いとみられている。業界では、米アップルがスマートフォン(スマホ)「iPhone(アイフォーン)」の販売低迷で有機ELパネルの需要が減ったことに対する一定の責任を負い、サムスンに「補償金」を払ったとの推測が出ている。

 スマホ事業を担うIT・モバイル(IM)部門は、折り畳み(フォルダブル)式スマホ「ギャラクシーフォールド」の発売延期、平均販売単価の下落などが影響し、前期に比べ黒字が大幅に縮小したと予想される。一方、消費者家電(CE)部門は業績がやや改善したとみられている。

 サムスン電子の営業利益が2四半期連続で6兆ウォン台にとどまったことを巡っては、「底を打った」との楽観論と「不振が長期化する」との悲観論が交錯している。

 楽観論は、世界のIT企業の半導体の在庫調整が最終段階に差し掛かっていることから下半期以降はメモリーの需要と価格が持ち直し、ギャラクシーフォールドや8月公開予定のフラッグシップスマホ「ギャラクシーノート10」などの発売効果も加わって業績が再び上向くというものだ。

 一方で、メモリー価格がなかなか下げ止まらず、米中貿易戦争や日本による半導体・ディスプレー材料の対韓輸出規制といった悪材料が重なっていることが、悲観論の根拠となっている。


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