北朝鮮船が気付かれることなく三陟港に到着したことから、韓国当局の海上・沿岸警備に問題があると指摘された=(聯合ニュースTV)
北朝鮮船が気付かれることなく三陟港に到着したことから、韓国当局の海上・沿岸警備に問題があると指摘された=(聯合ニュースTV)
【ソウル聯合ニュース】韓国統一部は25日、北朝鮮の木造の小型漁船が海上の南北軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)を越え、当局に気付かれず韓国北東部の江原道・三陟港に入港した問題を受け、北朝鮮船の南下時の政府対応マニュアルを見直していることを明らかにした。

 統一部は国会外交統一委員会への懸案報告資料で、「状況把握、伝達、救助、合同情報調査、北への送還、報道など、すべてのプロセスに対する政府としての対応マニュアルを点検中」と述べた。特に、「国民に対し状況を適時に、正確に知らせ、国民が安心できるよう最善を尽くす計画だ」と強調した。

 報告資料によると、統一部は15日午前7時10分ごろ、海洋警察庁からの報告を受け、初めて状況を知った。16日午前に合同調査が行われ、乗船していた4人のうち2人が亡命、2人が帰還を希望したことから、同部は同日午後、連絡チャンネルである南北共同連絡事務所を通じ、北朝鮮に通知する計画があることをあらかじめ伝えた。17日午前、2人を送還するとの通知文を北朝鮮に正式に伝達すると、北朝鮮は18日午前に引き渡しを受けると返答した。こうして統一部は18日午前10時、南北軍事境界線にある板門店で北朝鮮側に2人を引き渡した。

 同じ日、同部当局者は2人を送還したことを記者団に明らかにした際、「船長の同意の下、船を廃棄したものと承知している」と述べたが、その後、船は海軍に保管されたままだったことが分かった。これに関し同部は「マニュアルに従い、『船舶放棄同意書』を得た後に保管機関により廃棄処理されるものと承知しているという趣旨だった」と釈明した。


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