北京国際空港で待機している専用機=20日、北京(聯合ニュース)
北京国際空港で待機している専用機=20日、北京(聯合ニュース)
【北京聯合ニュース】米中の貿易摩擦が激しさを増す中、中国の習近平国家主席が20日午前、北朝鮮を訪問するため専用機で北京を出発した。中国の最高指導者として14年ぶりに北朝鮮を国賓訪問する。

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 2月にベトナム・ハノイで行われた米朝首脳会談が成果を得られずに終わって以降、米朝間の非核化交渉が膠着(こうちゃく)状態にある中での訪朝で、習氏が米朝対話再開の糸口をつかめるかが注目される。

 習氏はこの日午前、北京国際空港から専用機で平壌に向かった。昼前に平壌の順安空港に到着し、歓迎式典を皮切りに公式日程を開始するとみらる。21日午後に北京に戻る予定だ。

 中国最高指導者の訪朝は、2005年10月の胡錦濤前国家主席以来14年ぶりとなる。北朝鮮と中国の国交樹立以降、中国の国家主席が訪朝するのは今回で5回目だ。習氏の訪朝は、国家副主席だった08年以来11年ぶり。

 今回の訪朝には丁薛祥中国共産党中央弁公庁主任、楊潔チ共産党政治局員、王毅国務委員兼外相などの高官が随行する見通しだ。国連安全保障理事会による対北朝鮮制裁などで両国間の経済協力が制限されているため、中国企業の関係者らは今回の訪問に同行しないと伝えられた。

 中国が公式発表した訪朝日程は、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)との個別面会と首脳会談、中朝友誼塔の参拝行事だ。

 金委員長がこれまで4回にわたる訪中でラブコールを送った末に習氏の訪朝が実現した点を考慮すれば、北朝鮮は今回最高の礼遇を提供するとみられる。

 過去の慣例に従えば、平壌の空港に到着した習氏を金委員長が自ら出迎える可能性が高い。空港で朝鮮人民軍の儀仗隊による栄誉礼などの歓迎行事が行われた後、宿泊先の百花園迎賓館まで移動する途中に大規模なカーパレードが行われると予想される。

 1泊2日と短い日程のため、20日午後にまず1回目の首脳会談を行うとみられる。その後、金委員長夫妻が出席して習氏のための歓迎夕食会が行われる見通しだ。夕食後はマスゲーム・芸術公演「人民の国」などの祝賀公演を観覧する可能性が高い。

 21日には中朝親善の象徴である友誼塔を訪れ、金委員長と昼食を兼ねた2回目の会談を行った後、帰国の途に就く予定だ。

 中国が発表した習氏の国賓訪問の目的は、北朝鮮と中国の国交樹立70周年を記念した中朝関係の強化と、朝鮮半島問題の政治的解決に新たな機会を設けることだ。

 このため、習氏と金委員長は5回目となる首脳会談の後、国交樹立70周年を機に両国関係を格上げする宣言を発表するとみられる。以前の「血盟」の水準には及ばずとも、戦略的蜜月関係を強化する基盤を設けるという点で意味がある。

 また、中朝国交樹立70周年を迎え、両国間の経済、文化、人文交流の活性化と合わせて、国交樹立記念日の10月6日に金委員長の訪中を要請する可能性もある。

 特に、習氏は今回の会談で金委員長が再び非核化交渉のテーブルにつくよう誘導し、中国が南北と米が主導する非核化プロセスに参加する結果を引き出すことに注力すると予想される。

 米国主導の強力な対北朝鮮制裁により、習氏が今回の訪朝で大規模な経済支援を約束することは難しいが、非公開で数十万トンのコメや肥料などの人道支援を約束することも考えられる。


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