国防部のロゴ=(聯合ニュースTV)
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【ソウル聯合ニュース】韓国が27日から30日までの4日間、官・民・軍が参加する新たな形態の「乙支太極演習」を初実施する。これに伴い、例年8月に実施してきた韓米両軍の合同指揮所演習「乙支フリーダムガーディアン」(UFG)は廃止される。

 乙支太極演習は、UFGに合わせて行われてきた韓国政府の「乙支演習」と、通常5月に行っていた韓国軍単独の指揮所演習「太極演習」を統合した新たな政府演習。韓国国防部によると、乙支太極演習は国家危機対応演習(27~28日)と戦時に備えた演習(28~30日)の2部構成で実施される。

 国家危機対応演習は、軍事的要因だけでなく大規模災害やテロなどを含めた包括的な安全保障脅威に対する危機管理能力の向上に焦点を当てる。地震の影響で全国的な複合災害危機が発生した状況を想定し、軍の対策本部や危機対応組織を稼働させ、マニュアルに沿って速やかに人員・装備を投入する訓練などが行われる。有害な化学物質の流出や高速列車の脱線、放射能漏れに備えた訓練も予定されている。

 戦時に備えた演習は、米軍が参加せず韓国軍単独で実施するコンピューターシミュレーションによる指揮所演習となる。戦争の前段階の戦時転換手続きや防衛のための全面戦初期対応手順を熟達することに主眼を置く。

 政府は昨年7月、「最近のさまざまな安全保障情勢と韓米合同演習の猶予(一時中止)方針に従い、2018年に計画していた政府の乙支演習の暫定猶予を決定した」と発表。さらに「韓国軍の単独演習である太極演習と連携した、官・民・軍による新たな形態の『乙支太極演習』モデルを開発する」としていた。

 UFGは1954年から在韓国連軍司令部が主管してきた演習「フォーカス・レンズ」を76年に乙支演習と統合し「乙支フォーカス・レンズ」(UFL)として始まり、2008年にUFGに名称変更した。UFGは韓国政府の演習との統合から43年、名称変更から11年で廃止となる。昨年はUFGが実施されなかった。

 一方、韓米の軍当局は3月、毎年春に実施する合同指揮所演習「キー・リゾルブ」と合同野外機動訓練「フォールイーグル」を今年から行わないと発表した。UFGを含め、三つの大規模な定例合同演習が今年そろって廃止され、それぞれ規模を縮小し、別の名称の訓練に代替される。


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