政府ソウル庁舎で会談する金氏(左)とWFPのビーズリー事務局長=13日、ソウル(聯合ニュース)
政府ソウル庁舎で会談する金氏(左)とWFPのビーズリー事務局長=13日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国政府が北朝鮮への人道的な食糧支援に向け、支援の時期や方法、規模などを巡り苦慮している。

 

 韓国統一部によると、同部の金錬鉄(キム・ヨンチョル)長官は13日に国連世界食糧計画(WFP)のビーズリー事務局長と会談したのに続き、民間団体の関係者や専門家らと相次いで面会し、食糧支援に関する意見を聴取している。

 韓国政府は8日、北朝鮮への食糧支援を推進する方針を正式に表明した。だが、北朝鮮が短距離ミサイルを発射したことを受け、批判的な世論を意識し、期間を設けず意見収集に集中するとして、慎重な姿勢を示している。

 ただ、北朝鮮の深刻な食糧難や支援効果の最大化など現実的な要因を考慮し、近く具体的な時期や方法、規模などの大枠を固める必要があるとの見方が出ている。実務的な手続きに時間がかかるためだ。

 WFPと国連食糧農業機関(FAO)は今月初旬に発表した報告書で、「適切かつ緊急の人道的行動を取らなければ収穫が減る5~9月に状況が一層悪化する可能性がある」と指摘した。

 すぐに実行できる有力な支援方法として、南北が直接交渉せず、国際機関の対北朝鮮支援事業に拠出金を出すことが検討されているようだ。

 韓国政府は2017年9月、国連児童基金(ユニセフ)とWFPの北朝鮮の乳幼児や妊産婦らへの栄養支援事業に800万ドル(約8億9000万ドル)相当を拠出する計画を決めたが、対北朝鮮制裁などを踏まえ実施していない。

 国際機関を通じた支援は配分状況の確認体制を問題視する声を抑えることもできる。ビーズリー氏は来韓中、記者団に対し、「食糧やその他のいかなる(北朝鮮への)支援も供与国の目的に沿うよう保障する」として、「われわれはモニタリングシステムを整えている」と強調した。

 国際機関を通じた支援と直接支援を並行する可能性もある。韓国政府は2000年代、北朝鮮にコメを借款・無償支援した当時、二つの方法を利用した。

 直接支援は南北当局間の協議が必要のため、2月末の米朝首脳会談が物別れに終わって以降、膠着(こうちゃく)状態に陥っている南北関係の活性化に向けたてこ入れとなる可能性がある。

 韓国政府にとっては、北朝鮮への直接的な食糧支援は国内の穀物需給の飽和や保管費用などの問題解消にも役立つ。

 ただ、北朝鮮が短距離ミサイルを発射し、韓国や米国への攻勢を強めており、韓国の直接支援を受け入れる可能性は低いとの見方もある。


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