ソウル市内に展示されている北朝鮮のミサイルなどの飛翔体=(聯合ニュース)
ソウル市内に展示されている北朝鮮のミサイルなどの飛翔体=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の朝鮮中央通信は8日、4日に飛翔体を発射したことについて、「正常で自衛的な軍事訓練」とする外務省報道官の発言を報じた。

  同通信によると、報道官は大口径長距離放射砲(ロケット砲)や戦術誘導兵器の運用能力や武装装備の戦闘性能などを点検したとして、「戦闘動員準備を整えることに目的を置いた火力打撃訓練」と主張した。

 飛翔体発射後から「ミサイル」との見方が出ており、4日後に公式な立場を出して反論した形となる。報道官はミサイルやロケットとの言葉は使わなかった。また、戦線防衛部隊の訓練とし、ミサイルを担当する戦略軍には言及しなかった。

 報道官は「誰かを狙ったものではなく、正常な軍事訓練の一環で、地域情勢を悪化させたこともない」とし、「どの国も国家防衛のための軍事訓練を行っており、極めて正常なことで、一部の国がほかの主権国家を狙って行う戦争演習とは明白に区別される」と強調した。

 その上で、韓米軍事合同演習を取り上げ、「こうした挑発的な軍事訓練や戦争演習については誰も言及していない」と指摘し、韓米演習への対応措置であることを示唆した。

 2月末の米朝首脳会談が物別れに終わった後、膠着(こうちゃく)状態に陥っている非核化交渉に関しては「われわれが最大限の忍耐心を発揮している」と表明。国際社会が挑発行為として受け止められる、今回の飛翔体発射より強い軍事示威は自制することを示唆した発言で、注目される。

 韓国と米国も北朝鮮の飛翔体発射後、飛翔体を「ミサイル」と断定したり、北朝鮮を非難したりすることは自制している。


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