ソウルの日本大使館前に設置されている慰安婦被害者を象徴する少女像(資料写真)=(聯合ニュース)
ソウルの日本大使館前に設置されている慰安婦被害者を象徴する少女像(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の弁護士団体「民主社会のための弁護士会」の宋基昊(ソン・ギホ)弁護士が外交部を相手取り、旧日本軍の慰安婦問題を巡る2015年末の韓日合意の交渉に関する文書の一部を公開するよう求めた訴訟の控訴審が18日、ソウル高裁で開かれた。高裁は文書を公開するよう命じた一審判決を覆して、原告の請求を棄却した。一審では国民の知る権利や国政運営の透明性を確保するため、文書を公開するよう言い渡したが、高裁は文書を公開しないことが国益にかなうと判断したとみられる。

 高裁は判決の理由を説明しなかったが、文書を公開する場合、両国の外交関係に深刻な影響を及ぼしかねないと判断したとみられる。

 ソウル行政裁判所は17年1月、原告の請求を認め、「合意でこの問題が最終的かつ不可逆的に解決されるのなら、被害者だけでなく韓国の国民は日本政府がいかなる理由で謝罪と支援をするのか、その合意過程がどのような方法で行われたかを知る必要が大きい」と説明。「日本は慰安婦合意に至る過程で、韓日外交当局の過去の協議内容を詳しく紹介し、外交慣行に反した前例もある」として、韓国政府が文書を公開しても外交上の欠礼にならないとしていた。

 原告は二審の判決を受け、「裁判所が外交関係を重要だと考えたのではないと思う」として、「ただ、外交関係といっても全ての文書を非公開にするわけではなく、慰安婦被害者と相談し、上告する」との意向を示した。


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