韓国北部・坡州から北朝鮮南部・開城へのびる京義線道路と鉄道(資料写真)=(聯合ニュース)
韓国北部・坡州から北朝鮮南部・開城へのびる京義線道路と鉄道(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】1992年に開通した朝鮮半島西側の京義線道路の北朝鮮区間(開城―平壌)について、老朽化と施工不良により大型事故が発生する危険性が高いとの調査結果が発表された。 韓国政府は29日、このような内容の南北道路共同調査団の現地調査報告書を国会に報告し、メディアに公開した。 共同調査団は昨年8月、開城―平壌間の高速道路161キロ区間の切土部(地盤を切り下げて作った道路)103カ所と橋梁90カ所、トンネル18カ所、ジャンクション(JCT)・インターチェンジ(IC)など18カ所を集中的に調査した。 国会に提出された報告書によると、岩盤地帯を削って道路を作った切土部の周辺は岩盤の表面が不規則な上、風化作用も加わり大事故が発生する懸念が大きいと指摘された。 調査当時、大小の落石が発生している場所が少なくなく、がけ崩れが懸念される場所も33カ所に上った。 橋梁は表面に亀裂が発生するなど、深刻な状態だった。 施工不良により鉄筋が露出した橋げたが多数確認され、なかでも沙里院―開城区間の施工状態に問題があることが明らかになった。 橋脚の連結部には多数の亀裂が生じ、重装備の通行は難しいと判断された。 トンネルについても老朽化の程度が深刻で、夜間のみ使用する照明施設は古くなったり破損したりしており、点灯しても明るさが不十分だった。 トンネル内の光を反射する施設も不足しており、消火器などの防災設備や案内表示などもなかった。 道路の舗装は、冬の寒さに耐えるためには厚みが足りないと確認された。 ジャンクションやインターチェンジは構造が基準を満たしていない、幅が狭いなどの理由で事故が発生する可能性が高く、1カ所しかない休憩所には椅子など休息のための設備がなかった。 一方で、2015年から開城―平壌高速道路で緑化事業が進められていることも分かった。 上下線の路肩に幅20~30メートルにわたって木を植える事業で、現在は樹木の密度が低く、土地活用度を高めるために豆も栽培されていた。 南北道路共同調査は昨年8月、韓国側と北朝鮮側からそれぞれ28人ずつが参加して行われ、北朝鮮側が提供した車両や国連安全保障理事会の制裁免除の承認を受けたデジタル距離測定器などの装備が投入された。 統一部の関係者は「今後精密調査を行う場合、計測装備は再び制裁免除の承認を受けなければならない」とし、「われわれは北朝鮮側に、精密調査を通じて今後どのように近代化事業を行うか具体的に意見交換しなければならないとの立場を伝えた」と説明した。 共同調査は昨年4月に開かれた南北首脳会談での合意により行われ、今回の報告書は高速道路近代化事業の基礎資料として活用される。
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