米朝首脳会談が不調に終わったことで、金委員長のソウル訪問もさらに遅れる見通しとなった(コラージュ)=(聯合ニュース)
米朝首脳会談が不調に終わったことで、金委員長のソウル訪問もさらに遅れる見通しとなった(コラージュ)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】ベトナム・ハノイで27、28の両日に行われた北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)とトランプ米大統領による2回目の首脳会談が不調に終わったことで、韓国と北朝鮮の経済協力や金委員長のソウル訪問にも影響が避けられない見通しとなった。 2回目の米朝首脳会談が成果なしに終わったことに韓国政府の当局者は戸惑いを隠せずにいる。今回の会談が成功すれば、合意に対北朝鮮制裁緩和に関する内容が盛り込まれ、制裁が足かせとなっている南北経済協力に転機が訪れると期待していたためだ。 北朝鮮の非核化措置に対する「相応の措置」として、金剛山観光事業の再開と開城工業団地の再稼働を制裁の例外として米国が認めるとの期待があったが、これも合意に至らなかった。 韓国政府は、今回の米朝首脳会談の結果が南北関係の発展の追い風になると予想し、各方面で準備を進めていたことが分かった。 米朝首脳会談後に開城工業団地の再稼働や金剛山観光事業の再開に加え、南北の鉄道・道路の連結、山林協力など南北交流・協力事業を本格的に推進する計画だった。 そのために韓国は米朝首脳会談の開催に先立ち、北朝鮮と米国の双方と会談と関連した協議を進め、米国や国際社会とは制裁緩和問題について協議してきた。 南北は最近ね北朝鮮・開城の南北共同連絡事務所を通じ、鉄道・道路に関する資料をやり取りし、連結事業のための努力を続けていた。 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は米朝首脳会談を2日後に控えた25日、「朝鮮半島の運命の主役はわれわれ」と述べるとともに、「歴史の隅ではなく中心に立ち、戦争と対立から平和と共存へ、陣営と理念から経済と繁栄へと進む新朝鮮半島体制を主導的に準備する」と表明し、南北経済協力を積極的に推進する可能性を示唆した。 しかし、トランプ大統領が交渉決裂後の記者会見で「われわれが望む非核化を履行すべきだ。その後にわれわれも制裁緩和を行うことができる」と述べたことから、南北交流事業の停滞は避けられない状況だ。 このような状況では南北首脳が昨年内に実施することで合意していた金委員長のソウル訪問もさらに遅れる可能性が高い。 当初、韓国政府は金委員長がソウルを訪問すれば、これに合わせて開かれる南北首脳会談で経済協力を加速させる問題を集中的に議論するとの構想を持っていたことが分かった。 政府はポンペオ国務長官が数週間以内に行われる実務者協議で進展があることを期待すると述べたことに望みをつないでいる。 政府当局者は「北と米国の交渉が完全に決裂したわけではない」とし、「現在の制裁の枠組み内で交流協力を推進するという基本の立場には変わりなく、(対北朝鮮制裁問題などを調整する)韓米のワーキング・グループ(作業部会)などを通じて交流事業を続ける」と話した。
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